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臥戸
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ふしど
ふりがな文庫
“
臥戸
(
ふしど
)” の例文
八五
廿日あまりの月も出でて、古戸の
間
(
すき
)
に洩りたるに、夜の深きをもしりて、いざ休ませ給へとて
八六
おのれも
臥戸
(
ふしど
)
に入りぬ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
父はもう
臥戸
(
ふしど
)
へ入っているし、門人たちはみんな月見に出て行ったはずである、誰だろう……と思っているとまたしても
半化け又平
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
夫婦が互の
出来栄
(
できば
)
えを
褒
(
ほ
)
め合ったりして、先ずはその夜の遊興もみやびやかに終りを告げてから、程なく二人が
臥戸
(
ふしど
)
へ引き取ったのは
亥
(
い
)
の刻を過ぎていた。
武州公秘話:01 武州公秘話
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
客の帰りし
後
(
のち
)
中川は長き談話に疲れけん
臥戸
(
ふしど
)
に入りて
忽
(
たちま
)
ち
眠
(
ねむり
)
に就きぬ。妹のお登和嬢疲れは兄に劣らねども大原家の事心にかかりて臥戸に入らんともせず。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
北のやかたの
守人
(
もりびと
)
のいうには、
南野
(
みなみの
)
のはてに定明らしい者が
屯
(
たむろ
)
しているとも言い、それは一軒のやかた作りではなく、野の
臥戸
(
ふしど
)
のような
小屋掛
(
こやがけ
)
の中に住んでいるとのことだった。
野に臥す者
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
▼ もっと見る
敷
(
しき
)
て
進
(
まゐ
)
らせよと云ひければお梅は夫の
床
(
とこ
)
を
打敷
(
うちしき
)
臥戸
(
ふしど
)
に伴ひけるに傳吉も
安堵
(
あんど
)
せしにや枕に着くと其の儘に
眠
(
ねぶ
)
りけるが翌日の
巳刻
(
よつ
)
時分漸々
起出
(
おきいで
)
顏
(
かほ
)
を清め佛前へ向ひ
回向
(
ゑかう
)
し前夜の
櫛
(
くし
)
を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
寒さは寒し恐しさにがた/\
震
(
ぶるひ
)
少しも
止
(
や
)
まず、
遂
(
つひ
)
に
東雲
(
しのゝめ
)
まで
立竦
(
たちすく
)
みつ、
四辺
(
あたり
)
のしらむに心を安んじ、圧へたる戸を引開くれば、
臥戸
(
ふしど
)
には
藻脱
(
もぬけ
)
の殻のみ残りて我も婦人も見えざりけり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
人
(
ひと
)
静まりて月の色の
物凄
(
ものすご
)
くなりける頃、
漸
(
やうや
)
く
盃
(
さかづき
)
を納めしが、
臥戸
(
ふしど
)
に
入
(
い
)
るに先立ちて、お村は
厠
(
かはや
)
に
上
(
のぼ
)
らむとて、腰元に
扶
(
たす
)
けられて廊下伝ひに
彼
(
かの
)
不開室の前を過ぎけるが、酔心地の
胆
(
きも
)
太
(
ふと
)
く
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
した上は
嘸
(
さぞ
)
かし
氣勞
(
きづか
)
れも
有
(
あら
)
う程に
今宵
(
こよひ
)
は早く
休
(
やす
)
むがよい
己
(
おれ
)
も今夜は
早寢
(
はやね
)
にせんと云ば十兵衞は
然樣
(
さやう
)
ならお先へ
臥
(
ふせ
)
ります
御免成
(
ごめんなさ
)
れと挨拶し
臥戸
(
ふしど
)
へこそは入にけれ跡に長庵
工夫
(
くふう
)
を
凝
(
こら
)
し彼の五十兩の金を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
思いつつ
寝
(
ぬ
)
ればや人の見えつらん夢と知りせば
覚
(
さめ
)
ざらまじを、大原は
昨夜
(
ゆうべ
)
の夢の
現
(
うつつ
)
に
残
(
のこし
)
て
独
(
ひと
)
り嬉し顔に朝早く
臥戸
(
ふしど
)
を
出
(
い
)
で
洗面場
(
せんめんば
)
に
到
(
いたり
)
てその帰りに隣室の前を
過
(
すぎ
)
けるに、隣室に下宿せる大学の書生二
食道楽:春の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
今はハヤ
須臾
(
しゆゆ
)
の
間
(
ま
)
も忍び
難
(
がた
)
し、臆病者と笑はば笑へ、恥も外聞も
要
(
い
)
らばこそ、予は
慌
(
あわたゞ
)
しく書斎を出でて奥座敷の
方
(
かた
)
に
駈行
(
かけゆ
)
きぬ。
蓋
(
けだ
)
し松川の
臥戸
(
ふしど
)
に身を投じて、味方を得ばやと
欲
(
おも
)
ひしなり。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
臥
漢検準1級
部首:⾂
8画
戸
常用漢字
小2
部首:⼾
4画
“臥”で始まる語句
臥
臥床
臥所
臥薪嘗胆
臥龍
臥牛
臥龍梅
臥榻
臥転
臥房