“回向”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
えこう89.8%
ゑかう10.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このいたいけな少年の手を合され質朴な老爺や婦人たちの一本な涙の回向えこう手向たむけられて、これに感動せぬ墓があったであろうか。
逗子物語 (新字新仮名) / 橘外男(著)
ところがさらに意外な事には、祥光院の檀家たる恩地小左衛門のかかりびとが、月に二度の命日には必ず回向えこうに来ると云う答があった。
或敵打の話 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
「その代り遺骸なきがらは此方で引取り、回向ゑかう萬端手落なく致させます——てやがる。お貰ひの仲間にも、坊主も穴掘りも居るんだつてネ、親分」
今夜こよひは満願とてかの橋にもいたり殊更ことさらにつとめて回向ゑかうをなし鉦うちならして念仏ねんぶつしけるに、皎々けう/\たる月遽然にはかくもりて朦朧まうろうたり。