“ねや”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ネヤ
語句割合
82.1%
寝屋9.0%
閨房2.2%
寐屋1.5%
寝室1.5%
寝家0.7%
寝房0.7%
根屋0.7%
臥内0.7%
0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ねやしとねから、枕の類にまで事寄せ、あるひは戀とし、あるひは哀傷として、詩にも作られ、歌にも詠まれ、文章にも綴られて來たのは
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「悪徒の友なるいとしきは狼の歩みしづかかに共犯人かたうどの如く進み来りぬ。いと広き寝屋ねやの如くに、空おもむろとざさるれば心焦立いらだつ人はたちまち野獣の如くにぞなる……」
夜あるき (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
豊雄をひそかに招きて、此の事よくしてよとて袈裟をあたふ。豊雄これをふところに隠して閨房ねやにいき、庄司今はいとま三八一たびぬ、三八二いざたまへ、出で立ちなんといふ。
講堂、房、書院、くりや寐屋ねやなどの棟が、かなり奥の林まで曲がりくねって建ててある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
……その後手に入れた綱吉つなよし公が、将軍職になりましたし、柳沢侯が出世しましたので、幸福の象徴となりましたが、しかし将軍綱吉侯は——大きな声では云えませんが、奥方の寝室ねやの中で暗殺され
大捕物仙人壺 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
黄奎こうけいは夜おそく家へ帰った。さすがに酒も発せず、すぐ寝房ねやへ入った。彼には妻がなく、李春香りしゅんこうというめいが彼の面倒を見ていた。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
根屋ねやの一人娘の大病に、猿の生肝がよくくとわかって、猿をだましてつれてようとして失敗する話で、他の多くの竜宮入り話と比べて、よほど型変かたがわりでありまた新らしい。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
ラこれをぬすみ聞き、その夜木槐きくれに自分の衣を臥内ねやに入れ、身を隠し居るとは知らぬ竜輩来て、木が屑になるまでり砕いて去った。ラ還って木を捨てその跡へ臥す。
これより先、余り御無体、お待ちや、などと、あわただしいおんなまじりの声の中に、丸官の形、猛然と躍上おどりあがって、廊下を鳴らして魔のごとく、二人のねやへ押寄せた。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)