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臥所
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ふしど
ふりがな文庫
“
臥所
(
ふしど
)” の例文
樣々な
懊惱
(
あうのう
)
を
累
(
かさ
)
ね、
無愧
(
むき
)
な卑屈な
侮
(
あなど
)
らるべき下劣な情念を押包みつゝ、この暗い六疊を
臥所
(
ふしど
)
として執念深く生活して來たのである。
崖の下
(旧字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
あの方が
臥所
(
ふしど
)
からお起きになつて、雪のやうに白い靴下をお穿きになるため、あの可愛らしいおみ足をおのせになる足臺も見たい……。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
左門
前
(
さき
)
にすすみて、
八九
南の
窓
(
まど
)
の
下
(
もと
)
にむかへ、座につかしめ、
兄長
(
このかみ
)
来り給ふことの遅かりしに、老母も待ちわびて、
翌
(
あす
)
こそと
臥所
(
ふしど
)
に入らせ給ふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
ある時は支度金を取って諸侯の
妾
(
しょう
)
に住み込み、故意に
臥所
(
ふしど
)
に
溺
(
いばり
)
して暇になった。そしてその姿態は
妖艶
(
ようえん
)
であった。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
汝もし信ぜずば今夜新しい葉を
席
(
むしろ
)
の下に
鋪
(
し
)
いて、別々に臥して見よ、明朝に至り汝の
榻下
(
とうか
)
の葉は実するも、鬼の
臥所
(
ふしど
)
の葉は
虚
(
むな
)
しかるべしと言うて別れ出た。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
▼ もっと見る
敷
(
しか
)
せ
各々
(
おの/\
)
臥所
(
ふしど
)
に入たりける
扨
(
さて
)
翌日
(
よくじつ
)
にも成ければ武藏屋長兵衞并に長八は後藤先生へ尋ね行んと思ひ
主人
(
あるじ
)
の長兵衞へ何ぞ
土産
(
みやげ
)
をと
相談
(
さうだん
)
しけるに長兵衞は遠方を
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
妻の生みし我子は、生れてより十四日目になり居り、矢張り妻の
臥所
(
ふしど
)
の側なる揺籃の内に、是も眠り居り候。
アンドレアス・タアマイエルが遺書
(新字旧仮名)
/
アルツール・シュニッツレル
(著)
そうしてとうとうその
儘
(
まま
)
、そんな
臥所
(
ふしど
)
でもない所で、私はその夜はまんじりともせずに過ごしてしまった。
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
再び障った音は、
殆
(
ほと
)
んど
敲
(
たた
)
いたというべくも高い。
慥
(
たし
)
かに人ありと思い
極
(
きわ
)
めたるランスロットは、やおら身を
臥所
(
ふしど
)
に起して、「たぞ」といいつつ戸を半ば引く。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「長羅よ。我は爾のために新らしき母を与えるであろう。爾は
臥所
(
ふしど
)
へ這入って、戦いの疲れを
憩
(
いこ
)
え。」
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
臥所
(
ふしど
)
にはいってからも、その夜はなかなか眠ることができなかった。
菊屋敷
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
木原よりふく風のおとのきこえくるここの
臥所
(
ふしど
)
に
蚤
(
のみ
)
ひとついず
連句雑俎
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
人呼んで天狗の
変化
(
へんげ
)
といい、夜の
臥所
(
ふしど
)
を見た者はなかった。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そこを永遠に冷たい
臥所
(
ふしど
)
にしておられますよ。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
夕ざれば
臥所
(
ふしど
)
に入りて、このまだ犯されぬ
エロディヤッド
(旧字旧仮名)
/
ステファヌ・マラルメ
(著)
われらとて
地
(
つち
)
の
臥所
(
ふしど
)
の下びにしづみ
詩集夏花
(新字旧仮名)
/
伊東静雄
(著)
臥所
(
ふしど
)
ありて人はいぎたなく眠れり
無題
(新字旧仮名)
/
富永太郎
(著)
三日目の朝、われと隠士の
眠
(
ねむり
)
覚めて、病む人の顔色の、
今朝
(
けさ
)
如何
(
いかが
)
あらんと
臥所
(
ふしど
)
を
窺
(
うかが
)
えば——
在
(
あ
)
らず。
剣
(
つるぎ
)
の先にて古壁に刻み残せる句には罪はわれを追い、われは罪を追うとある
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
臥所
(
ふしど
)
の上に倒れた二人は、しばらく
死骸
(
しがい
)
のように動かずにいたが、たちまち厨子王が「姉えさん、早くお地蔵様を」と叫んだ。安寿はすぐに起き直って、
肌
(
はだ
)
の
守袋
(
まもりぶくろ
)
を取り出した。
山椒大夫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「彼は路に迷える旅の者。彼に爾は食を与えよ。彼のために爾は
臥所
(
ふしど
)
を作れ。」
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
己は恐る恐る身を
臥所
(
ふしど
)
に倒す。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
芸者が
臥所
(
ふしど
)
へ来た時、君は
浜路
(
はまじ
)
に襲われた
犬塚
(
いぬづか
)
信乃
(
しの
)
のように、夜具を片附けて、開き直って用向を尋ねた。さて芸者の詞を飽くまで真面目に聞いて、旨く敬して遠ざけたのである。
二人の友
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「父よ、我は
臥所
(
ふしど
)
を欲する。我を
赦
(
ゆる
)
せ。」
日輪
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
母はこれに
臥所
(
ふしど
)
を
徙
(
うつ
)
して喜んだが、間もなく世を去った。今わたくしが書斎にしているのがこの部屋で、壁は中塗のままである。昔崖の上の小家の台所であった辺が、この部屋の敷地である。
細木香以
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
少焉
(
しばらく
)
して猫は一尾の
比目魚
(
かれひ
)
を
銜
(
くは
)
へて来て、蘭軒の
臥所
(
ふしど
)
の
傍
(
かたはら
)
に置いた。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
臥
漢検準1級
部首:⾂
8画
所
常用漢字
小3
部首:⼾
8画
“臥”で始まる語句
臥
臥床
臥薪嘗胆
臥龍
臥戸
臥牛
臥龍梅
臥榻
臥転
臥房