“懊惱”のいろいろな読み方と例文
新字:懊悩
読み方割合
あうなう50.0%
なやみ20.0%
あうのう10.0%
うるさゝ10.0%
おうのう10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
懊惱あうなう困憊こんぱいうちかたむいた。障子しやうじうつときかげ次第しだいとほくへ退くにつれて、てら空氣くうきゆかしたからした。かぜあさからえだかなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
くまでも昨日きのふしき懊惱なやみ自分じぶんからはなれぬとしてれば、なにわけがあるのである、さなくていまはしいかんがへ這麼こんな執念しふね自分じぶん着纒つきまとふてゐるわけいと。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
樣々な懊惱あうのうかさね、無愧むきな卑屈なあなどらるべき下劣な情念を押包みつゝ、この暗い六疊を臥所ふしどとして執念深く生活して來たのである。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
はじめは人皆ひとみな懊惱うるさゝへずして、渠等かれらのゝしらせしに、あらそはずして一旦いつたんれども、翌日よくじつおどろ報怨しかへしかうむりてよりのちは、す/\米錢べいせんうばはれけり。
蛇くひ (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
椋島に捨てられたものと思い懊惱おうのうはて、家出をしたのであったが、電気協会ビル事件のとき、思いがけなく椋島のために一命を救われ
国際殺人団の崩壊 (新字新仮名) / 海野十三(著)