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懊惱
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あうなう
ふりがな文庫
“
懊惱
(
あうなう
)” の例文
新字:
懊悩
日
(
ひ
)
は
懊惱
(
あうなう
)
と
困憊
(
こんぱい
)
の
裡
(
うち
)
に
傾
(
かた
)
むいた。
障子
(
しやうじ
)
に
映
(
うつ
)
る
時
(
とき
)
の
影
(
かげ
)
が
次第
(
しだい
)
に
遠
(
とほ
)
くへ
立
(
た
)
ち
退
(
の
)
くにつれて、
寺
(
てら
)
の
空氣
(
くうき
)
が
床
(
ゆか
)
の
下
(
した
)
から
冷
(
ひ
)
え
出
(
だ
)
した。
風
(
かぜ
)
は
朝
(
あさ
)
から
枝
(
えだ
)
を
吹
(
ふ
)
かなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
(
いま
)
は
最
(
も
)
う、さつきから
荷車
(
にぐるま
)
が
唯
(
たゞ
)
辷
(
すべ
)
つてあるいて、
少
(
すこ
)
しも
轣轆
(
れきろく
)
の
音
(
おと
)
の
聞
(
きこ
)
えなかつたことも
念頭
(
ねんとう
)
に
置
(
お
)
かないで、
早
(
はや
)
く
此
(
こ
)
の
懊惱
(
あうなう
)
を
洗
(
あら
)
ひ
流
(
なが
)
さうと、
一直線
(
いつちよくせん
)
に、
夜明
(
よあけ
)
に
間
(
ま
)
もないと
考
(
かんが
)
へたから
星あかり
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
獄
(
ごく
)
から
歸
(
かへ
)
つて見ると石がない、
雲飛
(
うんぴ
)
は妻を
罵
(
のゝし
)
り
子
(
こ
)
を
毆
(
う
)
ち、
怒
(
いかり
)
に
怒
(
いか
)
り、
狂
(
くる
)
ひに
狂
(
くる
)
ひ、
遂
(
つひ
)
に
自殺
(
じさつ
)
しようとして
何度
(
なんど
)
も
妻子
(
さいし
)
に
發見
(
はつけん
)
されては自殺することも
出來
(
でき
)
ず、
懊惱
(
あうなう
)
煩悶
(
はんもん
)
して居ると、一夜
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
事情が事情だつたので自殺だといふ噂も立ちましたが、事實はひどい
懊惱
(
あうなう
)
と貧苦のために、
癆症
(
らうしやう
)
が重くなり『歸つた夫』を迎へて、もう一度以前の平和な生活を樂しむことも出來なかつたのです。
銭形平次捕物控:143 仏喜三郎
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
かう云ふ
懊惱
(
あうなう
)
が富之助を痩せさせる間に、三日經ち五日經つた。
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
懊
漢検1級
部首:⼼
16画
惱
部首:⼼
12画
“懊”で始まる語句
懊悩
懊
懊々
懊悔
懊悶
懊憹
懊悩呻吟
懊悩地獄
懊悩戦慄
懊悩煩悶