“懊”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
61.9%
じれ9.5%
ぢれ9.5%
うるさ4.8%
なや4.8%
なやま4.8%
むづか4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
およそ相手が左様さように手の込んだらし方をすると云うのは、彼を嫌っているのではなくて、彼に興味を抱いている證拠ではないのか。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
じれつたい!』と自暴やけに體を顫はせて
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
奈何どう爲よう。奈何爲よう。」と、終ひには少しぢれつたくなつて來て、愈々以て決心が附かなくなつた。と、言つて、たうといふ氣は微塵もないのだ。
赤痢 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
「ああ、ただもう家名をきずつけないようにって、耳うるさく言って聞かせるのよ。堅い奴だが、おいら嫌いじゃあねえ。」
黒百合 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
柳はおどろいて、その附近の家を一軒一軒訊いてみたが、だれも知ったものはなかった。はもう西にまわっていた。柳は怒りとなやみで自分のことも忘れて帰って来た。途中で一つの輿とゆき違った。
織成 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
肉づきのいい丸い頤は、先のところでふっくらとふた重頤になっていた。そしてはだと襦袢との間から、なやましい年盛りの女の香気がムンムンと立ちのぼってくるような気がした。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
徳二郎は平常ふだんにないむづかしい顏をして居たが、女のさす盃を受けて一呼吸ひといきに呑み干し
少年の悲哀 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)