)” の例文
およそ相手が左様さように手の込んだらし方をすると云うのは、彼を嫌っているのではなくて、彼に興味を抱いている證拠ではないのか。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
と森松はれこんでいくらいっても動きません。其の筈で森松などから見ると三十段も上手うわての悪党でござりますから、長手の火鉢ひばちすみの所へ坐ったらてこでも動きません。
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
しまいにれてくると、爪をのばして、ところ嫌わず老女を掻きむしるのだった。
金狼 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
れにれて待つた其人の、遂に來なかつた失望が、冷かに智惠子の心を嘲つた。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
その恋しさに身をらしながら、自分の運命を他人にゆだねて、時計の針を視詰みつめているということは、考えて見てもたまらないことです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
れにれて待つた其人の、遂に来なかつた失望が、冷かに智恵子の心を嘲つた。
鳥影 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
彼女はさう云ふグル/\廻りの状態に置かれてれてゐたのだが、皿の上の鰺が減つて行くのを数へながらいつものいちやつきを眺めてゐると
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
彼女はさう云ふグル/\廻りの状態に置かれてれてゐたのだが、皿の上の鰺が減つて行くのを数へながらいつものいちやつきを眺めてゐると
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
彼女はそう云うグルグル廻りの状態に置かれてれていたのだが、皿の上の鰺が減って行くのを数えながらいつものいちゃつきをながめていると
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ローゼマリーは京都と云う地名を知らないらしく、いくら悦子が「京都」と教えても「東京」と云うので、悦子はれて
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
寝られない寝られないと云ってしきりにれ、お母ちゃん悦子明日帰るよ、杉浦博士にてもうええ、こないしてたら神経衰弱ひどうなるばかりやわ
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
ウッカリ手出しをしようものなら必ずその壁に突き当って、いくられても彼女の肌には触れる訳に行かないのです。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
これは一つには、運が悪いだけではなく、何故なにゆえか相手の人が故意に平中にうことを避けているらしいからなので、そのために平中は一層れていた。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
まろは時々、母者人の俤を想い出そうと努めて見るが、もうちっとで想い出せそうになりながら、うすいとばりに隔てられて居るようで、れったい心地がする。
二人の稚児 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
むに已まれぬ行きがゝりで侍従じじゅうきみを追い廻すような羽目になり、へんにらされているものだから、一途に心がその方へばかり向いているのであるけれども
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
前の女房の眼をかすめて福子と逢引してゐた時代の、楽しいやうな、れつたいやうな、変にわく/\した、落ち着かない気分、———まああれぐらゐなものなのだが
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
前の女房の眼をかすめて福子と逢引してゐた時代の、楽しいやうな、れつたいやうな、変にわく/\した、落ち着かない気分、———まああれぐらゐなものなのだが
猫と庄造と二人のをんな (新字旧仮名) / 谷崎潤一郎(著)
前の女房の眼をかすめて福子と逢引あいびきしていた時代の、楽しいような、れったいような、変にわくわくした、落ち着かない気分、———まああれぐらいなものなのだが
猫と庄造と二人のおんな (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
小便がしたいのであろうと察し、溲瓶しびんを当ててみるが排尿しない。しきりにれているように見える。「おしっこですか」と云うと頷くので、また当ててみるが出ない。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
手紙なんかじゃれッたいから電報を打つか? そいつもちょっと大袈裟おおげさなようだが、多分電話があるだろうから、電話をかけて来て貰うか? いやいや、来て貰うには及ばないんだ。
痴人の愛 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
導尿のたびごとに病人がれること、ちょっとしたことが神経に触って興奮する様子が見えること、口と手足が思うように利かないために一層イライラするらしいこと、等々について相談する。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
れたり怒ったりすればするほどますます滑稽になるのである。
蓼喰う虫 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)