“なやま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ナヤマ
語句割合
55.0%
15.0%
可悩5.0%
5.0%
可艱5.0%
憂患5.0%
5.0%
懊悩5.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
工場の事務所からは、其筋の怠慢たいまんを責める様に、毎日毎日警察署へ電話がかかった。署長は自分の罪ででもある様に頭をなやました。
二銭銅貨 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
三十七ねんげつ大雪おほゆきがいと、その七月しちぐわつ疫疾えきしつために、牛馬ぎうばそのなかばうしなひたるの災厄さいやくあり。其他そのた天災てんさい人害じんがい蝟集ゐしふきたり、損害そんがいかうむことおびたゞしく、こゝろなやましたることじつすくなからざるなり。
命の鍛錬 (旧字旧仮名) / 関寛(著)
可悩なやましげなる姿の月に照され、風に吹れて、あはれ消えもしぬべく立ち迷へるに、淼々びようびようたる海のはしの白くくづれて波と打寄せたる、えんあはれを尽せる風情ふぜいに、貫一はいかりをも恨をも忘れて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
驚きに驚かされし静緒は何事ともわきまへねど、すいすべきほどには推して、事の秘密なるを思へば、まらうどの顔色のさしも常ならず変りて可悩なやましげなるを、問出でんもよしあしやをはかりかねて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
今日こんにちの人才をほろぼす者は、いはく色、曰く高利貸ぢやらう。この通り零落おちぶれてをる僕が気毒と思ふなら、君の為になやまされてをる人才の多くを一層不敏ふびんと思うて遣れ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
泉水の末を引きて𥻘々ちよろちよろみづひくきに落せるみぎはなる胡麻竹ごまたけ一叢ひとむら茂れるに隠顕みえかくれして苔蒸こけむす石組の小高きに四阿あづまやの立てるを、やうやう辿り着きて貴婦人はなやましげに憩へり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
可艱なやましげにも自ら起居たちゐたすけ得る身となりければ、一日一夜をす事も無く、ベッドの上に静養をつとめざるべからざる病院の無聊ぶりようをば、ほとんど生きながら葬られたらんやうにこうじつつ
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
この小さな、緑色に繁茂しげり栄えた島の中には、まれに居る大きなありのほかに、私たちを憂患なやまとりけもの昆虫はうものは一匹も居ませんでした。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
肉づきのいい丸い頤は、先のところでふっくらとふた重頤になっていた。そしてはだと襦袢との間から、なやましい年盛りの女の香気がムンムンと立ちのぼってくるような気がした。
深夜の市長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
幸作夫婦が始めようとする新しい生活、ドシドシやって来る鉄道、どれもこれもお種の懊悩なやましい神経を刺戟しげきしないものは無かった。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)