“蝟集”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いしゅう86.0%
ゐしふ10.0%
あつ2.0%
かた2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、しばらくすると、一方の争闘が止んで、捕手の影が一団に蝟集いしゅうしたので、それが千束の稲吉を囲んでいたのだと知れました。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
或新時代の評論家は「蝟集ゐしふする」と云ふ意味に「門前雀羅じやくらを張る」の成語を用ひた。「門前雀羅を張る」の成語は支那人の作つたものである。
侏儒の言葉 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
笏はそう言って、足跡に蝟集あつまっているうじうじしている馬陸やすでを指さした。——馬陸は、足跡の輪廓の湿りを縫いながら、蠢乎しゅんことして或る異臭をみながら群れていた。
後の日の童子 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
こうした家々が、ところによっては野原のようにだだっぴろい通りとはてしもない木柵もくさくの間にぽつんぽつんと立っており、ところによっては蝟集かたまってごちゃごちゃと立てこんでいた。