“蝟毛”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
いもう66.7%
ゐまう33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかしそれは推測を誤って居る。敵が鴎外と云う名を標的まとにして矢を放つ最中に、予は鴎外という名を署する事をめた。矢は蝟毛いもうの如く的に立っても、予は痛いとも思わなかった。
鴎外漁史とは誰ぞ (新字新仮名) / 森鴎外(著)
実にうるう三月己亥きがいなり。翌日おおいに戦う。燕将薛禄せつろく、奮闘はなはつとむ。王驍騎ぎょうきを率いて、傑の軍に突入し、大呼猛撃す。南軍を飛ばす雨のごとく、王の建つるところの旗、集矢しゅうし蝟毛いもうの如く、燕軍多く傷つく。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
と再び思つた自分の胸には、何故か形容せられぬ悲しい同情の涙がよろひに立つ矢の蝟毛ゐまうの如く簇々むら/\と烈しく強く集つて来た。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)