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蝟集
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ゐしふ
ふりがな文庫
“
蝟集
(
ゐしふ
)” の例文
或新時代の評論家は「
蝟集
(
ゐしふ
)
する」と云ふ意味に「門前
雀羅
(
じやくら
)
を張る」の成語を用ひた。「門前雀羅を張る」の成語は支那人の作つたものである。
侏儒の言葉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
雲黒く気重く、身
蒸
(
む
)
され心
塞
(
ふさ
)
がれ、迷想
頻
(
しきり
)
に
蝟集
(
ゐしふ
)
し来る、これ奇なり、怪なり、然れども人間遂にこれを免かること難し。
「油地獄」を読む:(〔斎藤〕緑雨著)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
三十七
年
(
ねん
)
一
月
(
げつ
)
大雪
(
おほゆき
)
の
害
(
がい
)
と、
其
(
その
)
七月
(
しちぐわつ
)
疫疾
(
えきしつ
)
の
爲
(
ため
)
に、
牛馬
(
ぎうば
)
其
(
その
)
半
(
なかば
)
を
失
(
うしな
)
ひたるの
災厄
(
さいやく
)
あり。
其他
(
そのた
)
天災
(
てんさい
)
人害
(
じんがい
)
蝟集
(
ゐしふ
)
し
來
(
きた
)
り、
損害
(
そんがい
)
を
蒙
(
かうむ
)
る
事
(
こと
)
夥
(
おびたゞ
)
しく、
余
(
よ
)
が
心
(
こゝろ
)
を
惱
(
なやま
)
したる
事
(
こと
)
實
(
じつ
)
に
尠
(
すくな
)
からざるなり。
命の鍛錬
(旧字旧仮名)
/
関寛
(著)
香亭
(
かうてい
)
雅談に拠るに、冬嶺は山本北山の門人で、
奚疑塾
(
けいぎじゆく
)
にあつた頃は
貧窶
(
ひんる
)
甚しかつた。その始て幕府に仕へたのは嘉永中の事で、此より弟子大に進み、病客も亦
蝟集
(
ゐしふ
)
したさうである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
彼は
纍々
(
るゐるゐ
)
たる紅球燈の光を浴びて、新富座の木戸口に
佇
(
たたず
)
みつつ、霖雨の中に
奔馳
(
ほんち
)
し去る満村の馬車を目送するや、昨日の憤怨、今日の歓喜、
均
(
ひと
)
しく胸中に
蝟集
(
ゐしふ
)
し来り
開化の殺人
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
“蝟集”の意味
《名詞》
蝟 集(いしゅう)
一箇所に多くのものが集まること。
(出典:Wiktionary)
蝟
漢検1級
部首:⾍
15画
集
常用漢字
小3
部首:⾫
12画
“蝟”で始まる語句
蝟
蝟毛