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なやま
今日の人才を
滅す者は、
曰く色、曰く高利貸ぢやらう。この通り
零落れてをる僕が気毒と思ふなら、君の為に
艱されてをる人才の多くを一層
不敏と思うて遣れ。
泉水の末を引きて
𥻘々水を
卑きに落せる
汀なる
胡麻竹の
一叢茂れるに
隠顕して
苔蒸す石組の小高きに
四阿の立てるを、やうやう辿り着きて貴婦人は
艱しげに憩へり。
遊佐良橘は郷里に在りし日も、出京の遊学中も、
頗る謹直を
以て聞えしに、
却りて、日本周航会社に出勤せる
今日、三百円の高利の為に
艱さるると知れる彼の友は皆驚けるなり。