“艱”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
なや45.8%
かた16.7%
かん8.3%
なやま4.2%
なやみ4.2%
くる4.2%
つら4.2%
つれ4.2%
むづか4.2%
カン4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
唯ひとり、揺籃の底になやむでゐる己の額に、やがては稲妻も十字を投げるだらうか。いま一筋荒々しく乗りこんでくる歌声をきかう。
逸見猶吉詩集 (新字旧仮名) / 逸見猶吉(著)
我等はほかの路を歩みて汝等より少しく先に來れるのみ、その路のいとあらく且つかたきにくらぶれば今よりこゝを登らんは唯たはぶれの如くなるべし。 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
お松としても、時かんにして英雄を思うの情に堪えられないが、いたずらに英雄を想うのみで、この際、自分としてはなんらの施すべき策も手段もありません。
大菩薩峠:34 白雲の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
今日こんにちの人才をほろぼす者は、いはく色、曰く高利貸ぢやらう。この通り零落おちぶれてをる僕が気毒と思ふなら、君の為になやまされてをる人才の多くを一層不敏ふびんと思うて遣れ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
長いなやみはてにしゃっちこばった巨人おおひとの死骸だ。8120
九万ハ性放誕不羈ふき嗜酒任侠ししゅにんきょうややモスレバすなわチ連飲ス。数日ニシテ止ムヲ知ラズ。ヤヽ意ニ当ラザレバすなわチ狂呼怒罵どばシテソノ座人ヲ凌辱りょうじょくス。マタ甚生理ニつたなシ。家道日ニ日ニくるシム。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
頑民がんみんは殺し尽すべし、遺老は寿命が来れば死ぬ。辮子はもはやとどめ得た。こうよう(長髪賊の領袖りょうしゅう)がまたもや騒ぎ出した。わたしの祖母がかつて語った。その時の人民ほどつらいものはない。
頭髪の故事 (新字新仮名) / 魯迅(著)
おれが草を刈って来て喰わせる時も毒な草がへえって居ちゃアいけねえからと思って、茅草かやぐさばかり拾って喰わせるようにしたから、われでかい坂をこえるにもつれえ顔を一つした事はねえで
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
如何に言釈いひとくべきか、如何に処すべきかを思煩おもひわづらへる貫一はむづかしげなる顔をやや内向けたるに、今はなかなか悪怯わるびれもせで満枝は椅子の前なる手炉てあぶりに寄りぬ。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
キョウハスナワチ国ノ元老、朕ガ至親シシンタリ。高祖ガ建業ノカンヲオモイ、忠義ノ烈士ヲ糾合キュウゴウシ、姦党カントウヲ滅シ、社稷シャショクノ暴ヲ未萌ミホウニ除キ、以テ祖宗ノ治業大仁ヲ万世ニマッタカラシメヨ。
三国志:05 臣道の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)