“悪怯”の読み方と例文
読み方割合
わるび100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しかし、いずれも相当の教養と覚悟のある連中でしたから、悪怯わるびれるということもなく、この評定も決断的に一定せられてしまいました。
大菩薩峠:32 弁信の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
左太夫が倒れると、右近は少しも悪怯わるびれた様子もなく、蒼白な顔に覚悟の瞳を輝かしながら、左太夫の取り落した槍をひっさげてそこに立った。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
さはあれ業苦の浮世をのがれ、天堂におわ御傍おんそばへ行くと思えば殺さるる生命いのちはさらさら惜からじと、下枝は少しも悪怯わるびれず。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)