かた)” の例文
我等はほかの路を歩みて汝等より少しく先に來れるのみ、その路のいとあらく且つかたきにくらぶれば今よりこゝを登らんは唯たはぶれの如くなるべし。 六四—六六
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
今は時もかたい上に、軽いものはむち入墨いれずみ、追い払い、重いものは永牢えいろう、打ち首、獄門、あるいは家族非人入りの厳刑をさえ覚悟してかかった旧時代の百姓一揆いっきのように
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
しんは命を受けて憂懼ゆうくすところを知らず、情誼じょうぎを思えば燕王にそむくに忍びず、勅命を重んずれば私恩を論ずるあたわず、進退両難にして、行止こうしともにかたく、左思右慮さしゆうりょ、心ついに決する能わねば
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
師曰ふ、起きよ、路遠く道程みちすぢかたし、また日は既に第三時の半に歸れり 九四—九六
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)