“憂懼”の読み方と例文
読み方割合
ゆうく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
予、なにごとの出来しゅったいせしやと疑いながらただちに披封すれば、なんぞはからん、「父大病につき、ただちに帰宅せよ」と、親戚某より寄するところの電報なり。愕然がくぜん、大いに憂懼ゆうくす。
妖怪報告 (新字新仮名) / 井上円了(著)
何ゆえというに、貧乏とはただ物の不足をのみ意味するのではない、欠乏の恐怖と憂懼ゆうく、それがすなわち貧乏であるが、かかる恐怖はトルストイの到底知るを得ざるところだからである*。
貧乏物語 (新字新仮名) / 河上肇(著)
しんは命を受けて憂懼ゆうくすところを知らず、情誼じょうぎを思えば燕王にそむくに忍びず、勅命を重んずれば私恩を論ずるあたわず、進退両難にして、行止こうしともにかたく、左思右慮さしゆうりょ、心ついに決する能わねば
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)