“なやみ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
30.2%
14.0%
苦悩11.6%
苦患7.0%
懊悩7.0%
患難4.7%
艱難4.7%
懊惱4.7%
2.3%
2.3%
患艱2.3%
惱悶2.3%
苦惱2.3%
苦難2.3%
虐遇2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
翌朝よくちょうかれはげしき頭痛ずつうおぼえて、両耳りょうみみり、全身ぜんしんにはただならぬなやみかんじた。そうして昨日きのうけた出来事できごとおもしても、はずかしくもなんともかんぜぬ。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
翌朝よくてうかれはげしき頭痛づつうおぼえて、兩耳りやうみゝり、全身ぜんしんにはたゞならぬなやみかんじた。さうして昨日きのふけた出來事できごとおもしても、はづかしくもなんともかんぜぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
私は今改めて自白する、私の千代子に対する恋は、ほとんど一年にわたる私の苦悩なやみであった、煩悶わずらいであった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
怖れはわがかうべを卷けり、我即ちいふ、師よわが聞くところのものは何ぞや、かく苦患なやみに負くるとみゆるは何の民ぞや 三一—三三
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
独身でいる曾根の懊悩なやみは、何とも名のつけようの無いもので有った。彼女は医者の言葉をすら頼めないという語気で話した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どうしたらこの患難なやみから救われるのでしょう。私が生きておりますのはアヤ子のためにこの上もない罪悪つみです。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
この故に我はキリストの為に、微弱、恥辱、艱難なやみ、迫害、苦難に遭うことを喜ぶ。そは我、よわき時に強ければなり。
パウロの混乱 (新字新仮名) / 太宰治(著)
黒羽くろは懊惱なやみさまよふ彼の日にわが
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
長いなやみはてにしゃっちこばった巨人おおひとの死骸だ。8120
優しい恋のなやみよ。己の胸を占めてくれい。2690
自分ながら自分の藝術のまづしいのが他になる、あわれたいしてまた自分に對してなやみ不平ふへいが起る。氣がンずる、悶々もだ/\する、何を聞いても見ても味氣あじきない。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
飽くなきの求めによりて患艱なやみをえ常に人の笑ひを招く慾深きミーダのことをくりかへし 一〇六—一〇八
神曲:02 浄火 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
ロミオ おれかくれぬ。むね惱悶なやみうめきのいききりのやうに立籠たちこめて追手おってふさいだららぬこと。
苦惱なやみ畏怖おそれ双輪もろわたかく響く
独絃哀歌 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
絶對の意志は惡にくみせず、そのこれに與するは、こばみてかへつて尚大いなる苦難なやみにあふを恐るゝことの如何に準ず 一〇九—一一一
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
私は、これだけの虐遇なやみ迫害くるしみに会いながら、なおも神様の禁責いましめを恐れている私たちのまごころを、この瓶に封じこめて、海に投げ込もうと思っているのです。
瓶詰地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)