なやみ)” の例文
新字:
安田佐々木兩人の惡巧わるたくみと知る者なく斯なやみしは是非もなし然るに安田佐々木の兩人は充分こと調とゝのひしと大いに喜び三千三百兩の金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
翌朝よくてうかれはげしき頭痛づつうおぼえて、兩耳りやうみゝり、全身ぜんしんにはたゞならぬなやみかんじた。さうして昨日きのふけた出來事できごとおもしても、はづかしくもなんともかんぜぬ。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
便びんなし、しんひやしたおいしやくなやみかろからず。
雪の翼 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
薔薇色ばらいろ裸形らぎやう——かなしいかな——あるなやみとこ
(旧字旧仮名) / アダ・ネグリ(著)
燒けただれたる路の砂、なやみからの葉とともに
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
なやみの人を導きて
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
傳へ聞く切支丹キリシタンいにしへなやみもかくや——
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
打ち如何いかに懷中ふところそだちといへ何故なぜ云々これ/\とは言ずして思ひなやみおろかさよ今まで夜歩行よあるき一つせず親孝行な長三郎し氣に入し者あつて素生すじやうたゞしく心立のよき者あらばいやしき勤の藝者にもあれ娼妓にもあれ又は如何いかなる身分みぶんよき人の娘は言も更なりいやしき者の娘なりとも金にあかしてもらひ取りよめに爲んと思ひしに今日はからずもに入た女を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
して來た樣な物だとつぶやき/\本町へ歸る途中とちうも長三郎思ひなやみし娘がこと言はぬもつらし言も又恥しゝとは懷中ふところそだちの大家の息子むすこ世間せけん見ず胸に餘て立歸るもあまりはやしと思ふより如何したことと兩親が問ば先刻せんこく音羽まで參りましたが腹痛ふくつうにて何分なにぶん心地こゝちあしければ王子へ行ずに立歸りしと答へて欝々うつ/\部屋に入り夜具やぐ引擔ひきかつぎ打臥うちふししが目先に殘るは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)