懊悩なやみ)” の例文
旧字:懊惱
「願くはわが憤恨いきどおりはかられ、わが懊悩なやみのこれと向いて天秤はかりにかけられんことを」というは、友の観察の浅きを責めし語である。
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
独身でいる曾根の懊悩なやみは、何とも名のつけようの無いもので有った。彼女は医者の言葉をすら頼めないという語気で話した。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
かくまでも昨日きのうしき懊悩なやみ自分じぶんからはなれぬとしてれば、なにわけがあるのである、さなくてこのいまわしいかんがえがこんなに執念しゅうね自分じぶん着纒つきまとうているわけいと。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)