“むげ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
無下49.7%
無碍29.1%
無礙18.3%
1.1%
0.6%
0.6%
無気0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
火を求むる幼な児の要求を、無下むげに荒々しくしりぞけた女は、いきなり頭上の鉄輪をはずし、あわてて蝋燭の火をかき消してしまいました。
大菩薩峠:37 恐山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
ふき子の内身からは一種無碍むげな光輝が溢れ出て、何をしている瞬間でもその刹那刹那が若い生命の充実で無意識に過ぎて行く。
明るい海浜 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
悪魔式鼻の表現はこの間に活躍して縦横無礙むげにその効果を挙げるので、鼻の表現研究の必要もここに到って又ますます甚だしくなるのであります。
鼻の表現 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「はあてね、大川筋から隅田の淀でも今ごろあせっせと流れていべえが、ぶるるっ、むげえこった。それにしても小物師どん、常日じょうじつ口が軽すぎるわさ。」
と、云って藤十郎は、むげに七三郎を恐れているのではない。
藤十郎の恋 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
「お出を待ってね、あれ、あのとおり、何一つ手をつけねえで放っときやした。八丁堀を前に控えてこの手口、なんと親分、てえっ、むげえことをやらかしたものじゃごわせんか。」
私の屋根裏調査以来の心尽こころづくしを知ると、無気むげに私を排斥することは出来なかったし、糸崎検事などは、そういうことになれば丁度幸だから、ちょいちょい小山田家を見舞って
陰獣 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)