“むごたら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
慘酷23.1%
惨酷15.4%
7.7%
惨虐7.7%
残酷7.7%
無惨7.7%
無慘7.7%
無残7.7%
7.7%
酷惨7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「葉ちゃんたら、とても慘酷むごたらしいのよ、アンナ綺麗な顔してるくせに——、あんた気がつかないの」
夢鬼 (新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
いかさま右の二の腕に上下判然はっきり二十枚の歯形が惨酷むごたらしく付いている。
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
美和子の運命、それは余りにもむごたらしいものであった、彼女は胸が痛くなるような気持ちがした。
深夜の客 (新字新仮名) / 大倉燁子(著)
「親分、それにしても惨虐むごたらしい殺しようですね」
こんな惨めな残酷むごたらしい、切迫せっぱ詰まった運命に直面した人間に、なんの感傷なぞがあるものでしょうか。
仁王門 (新字新仮名) / 橘外男(著)
雲のように立ち上る砂塵、踏みにじられた川岸の花、死にかかっている馬や牛、ここにある物は何も彼も、一切無惨むごたらしく破壊されてある。
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
前の日に掃除に來た時二人は屹立そばだつた恐ろしい斷崖を見上げて氣臆きおくれがし、近くの眞砂町の崖崩れに壓し潰された老人夫婦の無慘むごたらしい死と思ひ合はせて、心はむやみに暗くなつた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
「この無残むごたらしいお前の自害も元はといえば右衛門めがよしない事を云ったからじゃ!」
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
依志子 (なだむるごとく寄り縋り)気を鎮めて下さいまし妙念様。(手を取りて)こんなむごたらしい血を流して、まあ青すじまでが、みみずのように。
道成寺(一幕劇) (新字新仮名) / 郡虎彦(著)
「飛んでもない……よしんば、三四郎が帰ったにしても、なぜ又こんな酷惨むごたらしいことを……いいや、あんなに家庭を愛した男が、どうしてこんなことをするものですか!」
寒の夜晴れ (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)