“惨酷”のいろいろな読み方と例文
旧字:慘酷
読み方割合
ざんこく64.7%
むご13.7%
さんこく11.8%
むごたら3.9%
ひど2.0%
みじめ2.0%
むごたらし2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一体病身の幼童を座敷牢へ監禁して置くような惨酷ざんこくきわまる親があるだろうかしら。考えれば考えるほど不思議なことではないか。
三人の双生児 (新字新仮名) / 海野十三(著)
窓の外には、見送の切符を握った正太が立って、何もかも惨酷むごいほど身にしみるという様子をしていた。車掌は飛んで来て相図の笛を鳴らした。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「何者であろうとも、斯様かよう惨酷さんこくなことをするのを見逃しておくのは何事じゃ、ナゼ助けてやらぬ」
妾の家を惨酷むごたらしく、滅して行ったと聞いたばかり、妾はその時僅か五歳いつつ、乳母に抱かれて山手へ逃げ、そのまま乳母の実家で育ち、十五の春まで暮らしましたが乳母が病気で死にましてからは
赤格子九郎右衛門の娘 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「ふうむ。惨酷ひどいお養母っかさんじゃのう。起きるのは何時頃かね」
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
……こんなのを、自由というのかしら。……むしろ、惨酷みじめといったほうがいいわ。……いい加減に扱われているんだよ。たしかに、見捨てられているんだ。
「一人のお侍様をお殺しになり、もう一人のお侍様の足を斬り落としなさいましたのね。……でも、よくよくのことがなければ、あのような惨酷むごたらしいことは……」
血曼陀羅紙帳武士 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)