“養母”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はは17.6%
おふくろ17.6%
おっか14.7%
っか8.8%
かあ8.8%
ようぼ5.9%
おつか2.9%
やうぼ2.9%
おかあ2.9%
かめきち2.9%
そだておや2.9%
ははおや2.9%
はゝ2.9%
まま2.9%
やしないおや2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
殊にいつも、養母ははのお甲とたわむれていた又八と思い較べていただけに、思慕の糸が、この年月まで、切れもせずに胸につながって来た。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ば、ばかっ。……おまえの養母おふくろに聞け、おまえの体には、おれの手から身代金ほどの金が、お甲へやってあるのだ」
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「まあそうやって、後生大事に働いてるがいや。私もあぶなだまされるところだったよ。養母おっかさんたちは人がわるいからね」お島も棄白すてぜりふでそこを出た。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「だが、お前のお養母っかさんの浜中屋の女将おかみときては、公方くぼうの肩持ちで、ちゃきちゃきな江戸ッ児だからな。万一、密告されると……」
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お養母かあさんと喧嘩も喧嘩だが、今度はそれが大変なのでね、妾ひょっとすると浅草へは、もう出ないかもしれないよ」
柳営秘録かつえ蔵 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
親方はわたしを養母ようぼおっとの手から買ったのです。あなたがたは親切にしてくだすったし、ぼくは心からありがたく思っています。
養母おつかさん、わたしを食つた其鬼が、お前の難有ありがたがる大臣サ、総理大臣の伊藤ツて人鬼サ、——私もネ、其れまでは世間なみの温順おとなしむすめだつたことを覚えてますよ
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
差出し南町奉行所の大岡越前守方よりきたりし由を申入けるにぞ城富は大いにおどろ養母やうぼに見せ何事ならんか家主いへぬしへも屆けんと思ひつれども今日は留守るすの由ゆゑ如何はせんとまづ養母やうぼ状箱じやうばこ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
彼女は甘やかされてはいましたが、セエラが非常に好きなので、この養母おかあさんのためになら、どんな我慢でもしようと思っていました。
養母かめきちにとりなしを頼もうにも、妻よりも手強てごわ対手あいてなので、なまじな事は言出せなかったのであろう。
マダム貞奴 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
養母そだておやさへない上に、父は他国にゐるのです!……
とにかく愛子は某富豪華族の御落胤で、おさだまりの里子上りの養母ははおやに、煮て喰われようと焼いて喰われようと文句の云えない可哀相な身上であった事。
近眼芸妓と迷宮事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
もう羽織も欲しい季節だといふのに浴衣の重ね着をして控えてゐた傍らの雛妓おしやくを見たので、慌ててその子に渡すと、その養母はゝと二人が非常に丁寧に頭をさげて
熱海線私語 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
左次郎は何にもさまたげられずに、好きな事を考えていられた。もし養母ままのお咲が江戸にいたって、裕福である気遣いはなし、仲間ちゅうげんの一平と往来で出会っても、討つ力がないことは、自分にも分っている。
醤油仏 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
のちに、養母やしないおやは、江木家へ引きとられていたが、養家では、生みの男の子には錺職かざりしょくぐらいしかおぼえさせなかったが、勝気な栄子えいこには諸芸を習わせた。
江木欣々女史 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)