“おかあ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
阿母57.9%
御母21.1%
養母5.3%
主婦5.3%
生母5.3%
阿媽5.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
すると泰さんは落着き払って、ちょいと麦藁帽子のひさしへ手をやりながら、「阿母おかあさんは御宅ですか。」と、さりげなく言葉をかけました。
妖婆 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
それで芳ちゃんが落籍ひかされる時なんか、御母おかあさんはああいう人ですから、いくらも貰わなかったんですよ。いいわいねといったいつもの調子で、だけれど、いい人なの。なかなか解っているんです
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
彼女は甘やかされてはいましたが、セエラが非常に好きなので、この養母おかあさんのためになら、どんな我慢でもしようと思っていました。
で、若い養母おかあさんの様子がすっかり変ってしまったのを見ると、途方にくれるばかりでした。
「わいはこないに権右衛門おやっさんの為に泥棒の真似までして来たのや、それやなのに、あの主婦おかあは(政江のこと)……」「それをいいな、それを」と千恵造はなだめたが
俗臭 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
燁子さんの生母おかあさんのことも、このごろわかったが、もうお墓の下へはいっていて、燁子さんは墓参りをしただけで、なんにも言えなかったのだ。
柳原燁子(白蓮) (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
おのれら二人は、いい事にして、もと友だちの、うつくしい女房、たかが待合の阿媽おかあ
雪柳 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)