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養母
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やうぼ
差出し南町奉行所の大岡越前守方より
來りし由を申入けるにぞ城富は大いに
驚き
養母に見せ何事ならんか
家主へも屆けんと思ひつれ
共今日は
留守の由ゆゑ如何はせんと
先養母に
状箱を
頼み奉つりて
信心を致すべしとの物語り有りければ城富は有難う
存じ奉つりますと
正直者故に萬一大岡殿の申さるゝ通り親が
蘇生でもすることかと思うて心の中に
樂み神佛を信心して
養母を
其方儀
平生養母に孝行を盡し其上に先年
實父富右衞門御
所刑に相成候
節自分
身代りの儀願ひ
出候段是又實父
母へ孝心の至りに
思召され候之に依て御
褒美として
白銀三枚取せ
遣はす
有難く存ず可し