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實父
始めとして富澤町の
實父にも兄にも
先立不幸の罪お
許し
成れて下されよ是皆前世の定業と
斷念られて
逆樣ながら只一
遍の御回向を
停め
相果たる赴き
畢竟傍輩の心實より爲したる事實と相聞え加ふるに千太郎
實父吉兵衞外一同よりも助命を願ひ出又其方こと
速かに
自訴に及びし段
神妙に付死一等を
其方儀
平生養母に孝行を盡し其上に先年
實父富右衞門御
所刑に相成候
節自分
身代りの儀願ひ
出候段是又實父
母へ孝心の至りに
思召され候之に依て御
褒美として
白銀三枚取せ
遣はす
有難く存ず可し