“むざん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムザン
語句割合
無慙47.5%
無慚18.8%
無惨17.9%
無残9.6%
無慘2.5%
無殘2.1%
無三0.8%
無漸0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
外で揉み合っていた連中は一時に小屋の中へ雪崩なだれこんだ。お芳も逃げるに逃げられないで無慙むざん羞恥はじを大勢のうしろに隠していた。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)
土煙がだんだん静まって、無慚むざんにも破壊した車体が見えてきた。車体は裏返しになり、四つの車輪が宙にがいているように見えた。
蠅男 (新字新仮名) / 海野十三(著)
まして露の吹き散らされて無惨むざんに乱れていく秋草を御覧になる宮は御病気にもおなりにならぬかと思われるほどの御心配をあそばされた。
源氏物語:28 野分 (新字新仮名) / 紫式部(著)
そこで執事しつじウィックスティード氏は、鉄棒の化けものの猛反撃もうはんげきをくった。ただ、残酷ざんこくとしか言いようのない、無残むざんころされようであった。
たてに受ると見えしが無慘むざんや女は一聲きやつとさけびしまゝに切下げれば虚空こくうつかんでのたうつひまに雲助又もぼう追取おつとり上臺がひざを横さまにはらへば俯伏うつふしに倒るゝ所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
猛狒ゴリラるいこのあな周圍しうゐきばならし、つめみがいてるのだから、一寸ちよつとでも鐵檻車てつおりくるまそとたら最後さいごたゞちに無殘むざんげてしまうのだ。
無三むざん退もどるほどにかへるほどに
鬼桃太郎 (旧字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
身に付ゐたるが天神丸の巖石に打付うちつけられし機會はずみはるかの岩の上へ打上られしばし正氣しやうきも有ざりけるやゝときすぎて心付ほつと一いきつきゆめの覺し如くさるにても船は如何せしやとかすかにてら宵月よひづきの光りにすかし見ば廿人の者共は如何にせしや一人もかげだになし無漸むざん鯨魚くぢら餌食ゑじきと成しか其か中にてもわれひとりからくいのちたすかりしは
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)