苦悩なやみ)” の例文
旧字:苦惱
般若の智慧を、親しくみがいて、一切は空なりということを、体得せられたればこそ、衆生ひとびとのあらゆる苦悩なやみを救うことができるのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
私は今改めて自白する、私の千代子に対する恋は、ほとんど一年にわたる私の苦悩なやみであった、煩悶わずらいであった。
駅夫日記 (新字新仮名) / 白柳秀湖(著)
薬石やくせきこと/″\く無用、自ら病を求めて病がおこるのじゃ、其の病を自分手にこしらえ、遂に煩悩という苦悩なやみも出る、これを知らずに居って、今死ぬという間際の時に、あゝ悪いことをした、あゝせつない何う仕よう
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
いづこにかいづこにか揺曳ゆらびけるいと苦悩なやみの………
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして人生のあらゆる苦悩なやみを克服することによって、苦悩くるしみのない浄土を、この世に、この地上に建設されたのです。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
ひたぶる抱きて涙すれど恐怖おそれ苦悩なやみの………
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
私どもは、少なくとも、般若の貴い「呪」を心に味わいみしめることによって、自分おのれ苦悩なやみを除くとともに、一切の悩める人たちの魂を救ってゆかねばなりません。
般若心経講義 (新字新仮名) / 高神覚昇(著)
あはれ、見よ、そのかみの苦悩なやみむなしく
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
大理石なめいし苦悩なやみ湯気ゆげぞたちのぼる。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かなたには恋慕れんぼびと苦悩なやみに抱く。
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
かきむしりゆく火の苦悩なやみ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)