“揺曳”のいろいろな読み方と例文
旧字:搖曳
読み方割合
ようえい82.3%
ゆらびき3.2%
えうえい3.2%
たな1.6%
たなび1.6%
たなびい1.6%
ぶらぶら1.6%
ゆらひ1.6%
ゆらび1.6%
エウエイ1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
色の複雑な隈取くまどりがあって、少し離れて見ると何色ともはっきり分らないで色彩の揺曳ようえいとでも云ったようなものを感じる花とがある。
雑記帳より(Ⅱ) (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
また眼とづれば、きいづるほね揺曳ゆらびき
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
そして彼方此方と揺曳えうえいして、其意志の命ずるまゝに、われとわが姿を変へるのである。
紫雲しうん揺曳たなびく九重こゝのへ
全都覚醒賦 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
余が桜の杖にあごささえて真正面を見ていると、はるかに対岸の往来おうらいい廻る霧の影は次第に濃くなって五階だての町続きの下からぜんぜんこの揺曳たなびくもののうちに薄れ去って来る。
カーライル博物館 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
煙草の煙が、未来の影を朦朧もうろうめ尽すまで濃く揺曳たなびいた時、宗近君の頑丈がんじょうな姿が、すべての想像を払って、現実界にあらわれた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かつらたるやうにくしけづりたりし彼の髪は棕櫚箒しゆろぼうきの如く乱れて、かんかたかたげたる羽織のひもは、手長猿てながざるの月をとらへんとするかたちして揺曳ぶらぶらさがれり。主は見るよりさもあわてたる顔して
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
かすかにもののなまめきに揺曳ゆらひくなべに
邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
いづこにかいづこにか揺曳ゆらびけるいと苦悩なやみの………
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
庭の砂の上にすれ/\に、雲は揺曳エウエイして、そこにあり/\と半身を顕した尊者の姿が、手にとる様に見えた。匂ひやかな笑みを含んだ顔が、はじめて、まともに郎女に向けられた。
死者の書 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)