“ようえい”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
揺曳96.2%
妖影1.9%
遥曳1.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
視線の向う所は黒部川の上流を取り巻いて、天半に揺曳ようえいする青嵐の中にさっと頭をもたげた、今にも動き出すかと想われる大山岳である。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
空にかかった大鷲の影も、遠き夕照ゆうでりをうけて金羽きんうさんらんとして見えるかと思えば、またたちまち藍色あいいろの空にとけて、ただものすごき一点の妖影ようえいと化している。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、忽然こつねんゆかに鳴ったくさりの上へ、大蝙蝠のくろい妖影ようえいが、クルクルと舞いおちた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
明るい海面に、無数の波紋が美しい曲線をなして、ゆらゆらと遥曳ようえいしている。碧一色の模様ではあるが、濃淡さまざまのその配合の動きは、まさに光の生きた芸術である。
海底の散歩 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)