“淼々”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
びょうびょう83.3%
びようびよう16.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「お光ちょうい。内のお光ちょうい」。老夫婦が力の限りこん限り叫ぶ声はいたずら空明くうめいに散ってしまって、あとはただ淼々びょうびょうたる霞が浦の水渦まいて流れるばかり。
漁師の娘 (新字新仮名) / 徳冨蘆花(著)
熊野では、これと同じ事を、普陀落渡海ふだらくとかいと言うた。観音の浄土に往生する意味であって、淼々びょうびょうたる海波をぎきって到りく、と信じていたのがあわれである。
山越しの阿弥陀像の画因 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
可悩なやましげなる姿の月に照され、風に吹れて、あはれ消えもしぬべく立ち迷へるに、淼々びようびようたる海のはしの白くくづれて波と打寄せたる、えんあはれを尽せる風情ふぜいに、貫一はいかりをも恨をも忘れて
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)