盈々なみ/\)” の例文
大きい花崗岩みかげいしの臺に載つた洗面盥には、見よ/\、溢れる許り盈々なみ/\と、毛程の皺さへ立てぬ秋の水が、玲瓏として銀水の如く盛つてあるではないか。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
顏を洗つてから、可成なるべく音のせぬ樣に水を汲み上げて、盥の水を以前もとの如く清く盈々なみ/\として置いて、さて彼の一片の小扇をとつて以前もとの如くそれに浮べた。
葬列 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)