“勘定”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かんじょう72.1%
かんぢやう15.6%
つけ3.3%
かんじよう1.6%
かんじやう1.6%
かんぢゃう0.8%
かんてい0.8%
かんじょ0.8%
かんでう0.8%
はじき0.8%
カウント0.8%
ビル0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
案外その開化のたまものとして吾々の受くる安心の度は微弱なもので、競争その他からいらいらしなければならない心配を勘定かんじょうに入れると
現代日本の開化 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
そばをつとのゐることほとんどわすれて眞面目まじめいてゐるらしかつた。宗助そうすけうらやましいひとのうちに御米およねまで勘定かんぢやうしなければならなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
「成程、算盤が置いてある。此方の人は勘定高いから、食べながらもこれで当って見て心静かに勘定つけの来るのを覚悟するんだってね?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
指折ゆびをかゞめて勘定かんじようして、今晩こんばんは、よるまをせば、九晩こゝのばんひるまをせば、十日とをか經過けいかいたしましたことよ。かういふおこたへをしたのです。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
畢竟つまり売捌うりさばきの方法が疎略そりやくであつたために、勘定かんじやう合つてぜにらずで、毎号まいがう屹々きつ/\印刷費いんさつひはらつて行つたのが、段々だん/\不如意ふによいつて、二号にがうおくれ三がうおくれとおはれる有様ありさま
硯友社の沿革 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
こと/″\き、こと/″\て、さてのちいっ價値ねうちのあるのをらッしゃれ。とくらるゝと、むすめその一人ひとりとしてかずにははひってゐても、勘定かんぢゃうにははひらぬかもれぬ。さゝ、一しょにござれ。
だからこの女の落ちつきは、自分で自分の神経を殺しているという自覚にともなったものだと彼は勘定かんていしていた。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
由「閑静なものだね……やア勘定かんじょ幾許いくらになるえ」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
二十日はおまつりなればこゝろ一ぱい面白おもしろことをしてと友達ともだちのせがむに、趣向しゆこうなになりと各自めい/\工夫くふうして大勢おほぜいこといではいか、幾金いくらでもいゝわたしすからとてれいとほ勘定かんでうなしの引受ひきうけに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
それに引きかえて値段の高い晦日蟹の塩茹となりゃあ、どうしても三杯酢で一パイと言う処で、誰が聞いても恵比寿講の何厘何毛という利前勘定はじきとは思われませぬ奢りの沙汰で御座います。
「うむ。寝ている間は頭が働かない。酔生夢死すいせいむし不自覚也みずからさとらざるなりで、生きていても勘定カウントに入らない」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
いよいよ鎌倉の自宅へ帰る段になって、勘定ビルを済まして玄関で自動車を待っていると、そこへあたふたと部屋付きボウイが私の時計と彼女の帽子を持って駈けつけて来たくらいである。