勘定つけ)” の例文
「成程、算盤が置いてある。此方の人は勘定高いから、食べながらもこれで当って見て心静かに勘定つけの来るのを覚悟するんだってね?」
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
勘定つけを呼ぶ、団長へ単独行動についての諒解を求める、やれ、シャツ、やれ靴下という騒ぎで、大慌てに慌てて停車場へ駆けつけ、それから、汽車へ乗ると初めて、みんなが顔を見合せた。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
勘定つけをかく、かけすずりに袖でかくして参らせ候、——
第二菎蒻本 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「ようよう、眼もと千両ときたな、本気も疝気せんきも脚気もねえ、十八万六千石の若殿さまだ、いいからぐっといきねえ、明日の朝あたまが痛えなんという酒じゃねえなだの生一本、おまけに勘定つけの心配がねえとくるから安心だ」
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)