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かんじよう
指折り
屈めて
勘定して、
今晩は、
夜で
申せば、
九晩。
晝で
申せば、
十日を
經過いたしましたことよ。かういふお
答へをしたのです。
その
高さは
九千七百尺餘だつたといひますから、
富士山の
七合目のちよっと
下までのび
上る
勘定です。
勅撰集でいふと、
新古今集が
八番めの
歌集、それから
後六つめすなはち、
古今集から
勘定して
十四番めの
玉葉和歌集、
十七番めの
風雅和歌集、この
二つのものに、
特別に
關係がお
深いのであります。
ほとんど、なんのやかましい
思想も
強い
感情もないが、
明るい、にこにこした
氣持ちが、われ/\を
心の
底からゆすり
立てるように
感じないでせうか。
この
人の
歌は、
自然物を
寫す
場合にも、
自分の
感情を
述べる
敍情詩といふものゝ
場合にも、
實に
見事に
出來てゐるので、どちらがよいといひ
切ることは
出來ませんが、
世間では
人麿は
感情をうたふのに
達してゐた
人だ、といふことにしてゐます。