“かず”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カズ
語句割合
42.2%
20.7%
20.7%
7.8%
2.0%
0.7%
惣菜0.7%
0.7%
0.7%
0.7%
副食0.3%
仮託0.3%
仲間0.3%
0.3%
副菜0.3%
副食物0.3%
0.3%
度数0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ひとり次郎ばかりではない。あの女のまなざし一つで、身を滅ぼした男の数は、この炎天にひるがえるつばくらかずよりも、たくさんある。
偸盗 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
めぐりゆくものそのかずいと多し、また臥して苛責をうくるものはその數いと少なきもその舌歎きによりて却つてゆるかりき 二五—二七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
お銀が来るようになってから、一々自身で台所へ出て肴の選択をする必要もなくなったし、三度三度のおかずも材料が豊かになった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
上にかずいた着物をのけて寄って行った時に、あの時の女よりも大きい気がしてもまだ源氏は恋人だとばかり思っていた。
源氏物語:03 空蝉 (新字新仮名) / 紫式部(著)
いずこにおさめてあるかそのかずに不足を生ぜざるか改めて見んともせず、ひたすらにまた日暮を待ちたり、日はやがて暮れたり
空家 (新字新仮名) / 宮崎湖処子(著)
人の恐るる山𤢖を物のかずとも思っていないらしい。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
この娘を東国へ旅人の手にかずけて送ったときの気持に戻って、いっそ、この娘を思い捨てるか。それにしてはこれだけになったものを、あまりに惜しい気もする。
富士 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
まるで、かずきする海女が二十尋はたひろ三十尋みそひろの水底から浮び上ってうそぶく様に、深い息の音で、自身明らかに目が覚めた。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
と万事お母さんにかずけて、乃公を捲く料簡りょうけんと見えた。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
袖口そでくちと手の甲が、涙と鼻汁とで、ぐしょぐしょに濡れた。お副食かずには小魚の煮たのをつけて貰ったが、泣きじゃくってうまくむしれなかったので、一寸箸をつけたぎりだった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
副食かずは干鱈と昆布の煮〆だったが、お浜はそれには箸をつけないで沢庵たくあんばかりかじっていた。そして、次郎の皿が大方空になったころ、そっと自分の皿を、次郎の前に押しやった。
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
到来物があるたびに、以前は燥ゃぎ立って隣家の加福の家へ自分で裾分けを持って行ったものだったが、この頃は、母親に言われても、何かに仮託かずけて、つかいに行きたがらない。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
魚類さかなが売れません。まあ云うてみればこの奥の手を持たん奴は魚売の仲間かずに這入らんようなもので……ヘヘヘ。
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
雪をかずいた石燈籠の笠に、うっすり付いていた足跡にって犯人の素性を知ったのであった。だがうもこの発見、少々眉唾物である。ひどくバタの匂いがする。西洋流の探索である。
半七雑感 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「次郎、お前、どうしてお副菜かずを食べないのかい。」
次郎物語:01 第一部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それに準じてお前、人間は米ばかり食って生きていられるというわけのものじゃあねえ、お副食物かずも食わなけりゃならず——この方も一杯やらなけりゃあならず
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
かずみや御下向ごげかうの時、名を賜はつたと云ふ石燈籠も、やはり年々に拡がり勝ちな山吹の中に立つてゐた。しかしその何処かにある荒廃の感じは隠せなかつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
逢った度数かずで申そうなら七、八遍というところ。お互に気心が知れ合って、すっかり打解うちとけながら、まだどこやらに遠慮があって、お互にわるく思われまい。
あぢさゐ (新字新仮名) / 永井荷風(著)
実は、極く内々ないないの話だが、今でこそ私は腰弁当と人の数にもかずまえられぬ果敢はかない身の上だが、昔は是れでも何のなにがしといや、或るサークルでは一寸ちょっと名の知れた文士だった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)