かず)” の例文
新字:
しばらくすると、毛蟲けむしが、こと/″\眞白まつしろてふになつて、えだにも、にも、ふたゝ花片はなびららしてつてみだるゝ。幾千いくせんともかずらない。
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
めぐりゆくものそのかずいと多し、また臥して苛責をうくるものはその數いと少なきもその舌歎きによりて却つてゆるかりき 二五—二七
神曲:01 地獄 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
學生がくせい平日いつもよりはかず不足ふそくであつた。不審ふしんことには、自分じぶんより三四さんよまへかへつてゐるべきはず安井やすゐかほさへ何處どこにもえなかつた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
おつぎは勘次かんじ敏捷びんせふあざむくにはこれだけのふか注意ちういはらはなければならなかつた。それもまれなことでかずかならひとつにかぎられてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
有史以前ゆうしいぜんには噴火ふんかした證跡しようせきゆうしながら、有史以來ゆうしいらい一回いつかい噴火ふんかしたことのない火山かざんかずはなか/\おほい。箱根山はこねやまごときがその一例いちれいである。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
旋頭歌せどうかといふものに發達はつたつしてくと同時どうじに、片歌かたうた自身じしんが、短歌たんかつくげるように、次第しだいに、おんかずし、内容ないよう複雜ふくざつになつてゐました。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
かけきしにいままへてもふがかなしき事義じぎりぬじようさまの御恩ごおん泰山たいざんたかきもものかずかはよしや蒼海そうかいたま
五月雨 (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
今度こんどこの弦月丸げんげつまる航海かうかいには乘客じやうきやくかずは五百にんちか船員せんゐんあはせると七百にん以上いじやう乘組のりくみであるが、其中そのなか日本人につぽんじんといふのは夫人ふじん少年せうねんわたくしとの三めいのみ
ばいでもむかしいま角度かくど幾分いくぶん相違そういしてゐるようですし、赤貝あかゞひでもせんかずすこかはつてゐるといふようなことが、貝塚かひづか貝殼かひがら調しらべてればわかります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
見ると、樓の内には、うはさに聞いた通り、幾つかの屍骸しがいが、無造作むざうさに棄てゝあるが、火の光の及ぶ範圍はんゐが、思つたより狹いので、かずは幾つともわからない。
羅生門 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
何を便たよりに尋ぬべき、ともしびの光をあてに、かずもなき在家ざいけ彼方あなた此方こなた彷徨さまよひて問ひけれども、絶えて知るものなきに、愈〻心惑ひて只〻茫然と野中のなかたゝずみける。
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
かずは懷の福神漬を出したんだけど、若菜さんは、そんなお腹ん中でこぼれた物なんかきたなくて喰べられないつて言ふの。だから、あたし一人で喰べたわ。
梅龍の話 (旧字旧仮名) / 小山内薫(著)
かたり取其外二十や三十のちひさな仕事しごとかずれず兎角とかく惡錢身に付ず忽ち元の木阿彌もくあみ貧乏陶びんばふとくりも干上ひあがる時弟の女房のお安めが娘にあはせろ/\と毎日々々まいにち/\せまるのも惡事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大隈侯おほくまこうひとりのぶんがそれだけあるとすれば、日本全國にほんぜんこく使つかはれる年始ねんし葉書はがき大變たいへんかずだらうなア。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
『これでし、のこりあなかず貴君あなたの壽命だ、最早もうこれでおいとまいたさう』と飄然へうぜん老叟らうそう立去たちさつしまつた。
石清虚 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
かずらざる無學むがくひとには、一時いちじおどろかすの不便ふべんあらん文盲人もんまうじん不便ふべんどくながらかへりみるにいとまあらず。其便不便そのべんふべんしばらさしをき、かく日輪にちりんもとなり、つきつきものなり。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
こと/″\き、こと/″\て、さてのちいっ價値ねうちのあるのをらッしゃれ。とくらるゝと、むすめその一人ひとりとしてかずにははひってゐても、勘定かんぢゃうにははひらぬかもれぬ。さゝ、一しょにござれ。
其所そこへ、周布神奈川縣知事すふかながはけんちじる。橋本警務長はしもとけいむちやうる。田中代議士たなかだいぎし樋口郡長ひぐちぐんちやういはなにいはなにういふときには肩書かたがき必用ひつようえる。高等野次馬かうとうやじうまかず無慮むりよ餘名よめいちうせられた。
『それにはなしするのは無駄むだだわ、其兩耳そのりやうみゝないうちは、すくなくとも片耳かたみゝないうちは』とおもつてると、たちま全頭ぜんとうあらはれたので、あいちやんはつて紅鶴べにづるろし、競技ゲームかずかぞはじめました
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
元來がんらいこのたい樹木じゆもくはすべて常緑濶葉樹じようりよくかつようじゆで、こなら、くぬぎなど落葉濶葉樹らくようかつようじゆがそのあひだ點々てん/\まじつてゐるはずなのですが、常緑濶葉樹じようりよくかつようじゆむかしからたび/\られたり、また野火のびがいつたため、かず
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
霜は滿ち軍馬のたむろしづもらず糠星のかずのただにきらめく
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
とき」の老骨らうこつ、きしきしと、かずおとぎしりや
海潮音 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
のありかずおどろきて、つとちかへり
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
「役場になつてるところが墮ちましたのや。……わたへなア、いんまかずさんとこへ使に行きましたんや、數さん役場の夜なべに手傳ひにいてはりますのや。ほいたら、役場が學校の天井と一所に教場の上へ墜ちて、大騷動だすね。」
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
髮なる きら星 かずは 七つ。
われやかずにも入らざらむ。
春鳥集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
空像うたかたかずらず
孔雀船 (旧字旧仮名) / 伊良子清白(著)
しかし、いち自動車じどうしや手負ておひごときは、もののかずでもない、たゝかへば驕將けうしやうは、張中ちやうちうせつれなかつた。ゆうなり、またけんなるかな。
九九九会小記 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
我またきだを傳ひて諸〻の光の降るを見たり、そのかずいと多く、我をして天に現はるゝ一切の光かしこより注がると思はしむ 三一—三三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
勘次かんじは一整骨醫せいこついもんくゞつてからは、世間せけんには這麽こんな怪我人けがにんかずるものだらうかとえず驚愕おどろき恐怖おそれとのねんあつせられてたが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
も十おきるのに、大變たいへんらくなんですとさ。ところ貴方あなたこの日本全國につぽんぜんこく鰹船かつをぶねかずつたら、それこそたいしたものでせう。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
ところが古墳こふんれてあつたかたなつるぎるいになりますと、そのかず非常ひじようにたくさんありますが、中身なかみがみなてつですから赤錆あかさびになつて、ぼろ/\にくさつてしまひ
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
このふたつのうたについてると、片方かたほうは、4・6・4・5・7といふへんなかたちになつてゐるが、大體だいたい短歌たんかの5・7・5・7・7といふのと、かずてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
まだかまだかとへいまわりを七まわり、欠伸あくびかずきて、はらふとすれど名物めいぶつ首筋くびすぢひたいぎわしたゝかさゝれ、三五らうよわりきるとき美登利みどり立出たちいでゝいざとふに
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
或は須磨を追はれて明石の浦に昔人むかしびとの風雅を羨み、重ね重ねし憂事うきことかずへ忍ぶ身にも忍び難きは、都に殘せし妻子が事、波の上に起居する身のせんすべなければ
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
海岸かいがんから三四丁はなれたやまふもとたつ此小學校このせうがくかうところけつして立派りつぱなものではありません。ことぼくはひつたころ粗末そまつ平屋ひらやで、教室けうしつかずよついつゝしかかつたのです。
日の出 (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
をしへよサア平左衞門どうぢや/\と急立せきたてければ平左衞門は微笑ほゝゑみながら夫のことは物のかずたらずと申を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
濱島はまじまおくつてれたかずある贈物おくりものうち、四かく新聞しんぶんつゝみは、しや煙草たばこはこではあるまいかとかんがへたので、いそひらいてると果然くわぜん最上さいじやう葉卷はまき! 『しめたり。』とてんじて
葉書はがきかずが五百まいたつしたとき、とう/\教頭けうとうおくさんがきだしてをつと辭職じしよくすゝめた。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
なんにんときとしては何萬人なんまんにんかずへられ、お賽錢さいせんだけでもなんゑんといふあがだかで、それにれていままではさびしかつた田舍道ゐなかみちに、のきならべる茶店ちやみせやら賣店ばいてんやら、これも新築しんちく三百餘軒よけんたつしたとは
一年は十二にわかち十二月とす其名そのなかずごとし。
改暦弁 (旧字旧仮名) / 福沢諭吉(著)
夕凍ゆふじみにむらさきしきぶかず光り電線は切れて橋に垂れたり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
かずの珠、瑠璃るりのつらなみ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
寶のかずを背に負うて
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
かずふ空の縹色はなだいろ
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
わが肉體は土にして地にあり、またわれらのかず永遠とこしへ聖旨みむねふにいたるまでは他の肉體と共にかしこにあらむ 一二四—一二六
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
あきぼんには赤痢せきりさわぎもしづんであたらしいほとけかずえてた。墓地ぼちにはげたあかつちちひさなつかいくつも疎末そまつ棺臺くわんだいせてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
もののかずならぬそれがし大役たいやくおほせつけくだされさふらふこと、一世いつせい面目めんぼくさふらへども、暗愚斗筲あんぐとせうそれがし何事なにごとをか仕出しいだしさふらふべき
十万石 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
この銅鐸どうたくいままで古墳こふんからたことはなく、いわあひだや、やまかげなどからひょこっとるのが普通ふつうであり、そしてたくさんのかず一度いちどることも時々とき/″\あります。
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
はじめての所爲せゐか、ふすま開閉あけたてたびかほこと/″\ちがつてゐて、子供こどもかず何人なんにんあるかわからないやうおもはれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)