半七雑感はんしちざっかん
岡本綺堂氏の「半七捕物帳」その主人公の半七に就いて些私見を述べることにする。 「……三十二三の痩ぎすの男で、縞の着物に縞の羽織を着て誰の眼にも生地の堅気とみえる町人風であった。色の浅黒い鼻の高い、芸人か何ぞのように表情に富んだ眼を有っている …