“仮託”のいろいろな読み方と例文
旧字:假託
読み方割合
かこつけ40.0%
かたく40.0%
かず20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
父は寝られないと疳癪かんしゃくを起して、夜中に灰吹をぽんぽんたたくのが癖だ。煙草たばこむんだと云うが、煙草は仮託かこつけで、実は、腹立紛れに敲きつけるんじゃないかと思う。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
漱石そうせき先生の「夢十夜」のやうに、夢に仮託かたくした話ではない。見た儘に書いた夢の話である。出来は六篇の小品中、「冥途」が最も見事である。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
到来物があるたびに、以前は燥ゃぎ立って隣家の加福の家へ自分で裾分けを持って行ったものだったが、この頃は、母親に言われても、何かに仮託かずけて、つかいに行きたがらない。
痀女抄録 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)