仮託かたく)” の例文
旧字:假託
漱石そうせき先生の「夢十夜」のやうに、夢に仮託かたくした話ではない。見た儘に書いた夢の話である。出来は六篇の小品中、「冥途」が最も見事である。
点心 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
私はいまこの一つの言葉に、色々の意味を仮託かたくして置く。君は君で、君の心の年齢のゆるすかぎり、この言葉のもつ拡がりや深さを見て欲しい。
母たち (新字旧仮名) / 神西清(著)