“かたく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
74.2%
火宅9.0%
3.4%
2.2%
花托2.2%
仮托2.2%
仮託2.2%
家宅2.2%
假託1.1%
硬直1.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そんなにかたくなにならずに、ダニーロを赦してやつて下さい。この先きお父さんを苦しめるやうなことは決してしないでせうから!」
「ここへ来て、真実ほっといたしました。内裏という火宅かたくをのがれ出てきたような思いがして」
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みかど亭子院ていじゐん朝覲てうきんのをりから御内心をしめし玉ひしに 帝もこれにしたがひ玉ひ、其日 菅神を亭子院にめして事のよしを内勅ないちよくありしに 菅神かたくしたまひしにゆるし玉はざりけり。
此玉栗をつくるに雪にすこしほを入るればかたくなること石の如し、ゆゑに小児たがひに塩を入るをきんずるなり。こゝを以てみる時は、しほは物をかたむる物なり。
ヨモギにからまって野エンドウのつるが紫の花をひらき、ハマナスが赤い花托かたくをカヤの間に伏せていた。野はそこで切れて、路は砂浜にくぼむのである。阿賀妻は足をとめて振りかえった。
石狩川 (新字新仮名) / 本庄陸男(著)
一、二仮托かたくして可なりでげす。
仇討たれ戯作 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私はいまこの一つの言葉に、色々の意味を仮託かたくして置く。君は君で、君の心の年齢のゆるすかぎり、この言葉のもつ拡がりや深さを見て欲しい。
母たち (新字旧仮名) / 神西清(著)
見ても解る通り、氣違ひか馬鹿か、それとも恐ろしい惡人かに違ひありません。とにかく人の家へ無斷で上り込んで來た奴です。立派な家宅かたく侵入罪です。どうぞ、何とか處分しよぶんして下さいまし。
天国の記録 (旧字旧仮名) / 下村千秋(著)
因つてうたがふ、孔子泰山たいざんの歌、後人假託かたく之をつくれるならん。檀弓だんぐうの信じがたきこと此の類多し。聖人を尊ばんと欲して、かへつて之がるゐを爲せり。
(足手を硬直かたくし、突伸べ、ぐにゃぐにゃと真俯向まうつむけに草にす。)
山吹 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)