“かま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カマ
語句割合
22.8%
22.5%
18.6%
13.6%
4.4%
2.7%
2.4%
介意1.7%
1.3%
1.0%
汽罐0.9%
汽鑵0.7%
0.6%
0.6%
0.4%
0.4%
0.4%
0.4%
茶釜0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
感染0.3%
汽缶0.3%
0.3%
0.1%
仮托0.1%
0.1%
制裁0.1%
口穽0.1%
0.1%
嘉万0.1%
0.1%
0.1%
玩弄0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
0.1%
関心0.1%
風呂0.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それどころか、地獄にや、ほれ、でつけえ人煮るかまがあるつてこんだから、俺がやうな薪割稼業まきわりかげふは案外調法がられめえもんでもねえ。
野の哄笑 (新字旧仮名) / 相馬泰三(著)
白刃しらはげ、素槍すやりかまへてくのである。こんなのは、やがて大叱おほしかられにしかられて、たばにしてお取上とりあげにつたが……うであらう。
間引菜 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
二人が育って行くにつれ、母親にふと危惧きぐの念が掠めた。二人があまり気の合っている様子である。青春から結婚、それはかまわない。
蝙蝠 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
みかんばたけの上に出ると、大池のつつみがみえました。そこに二十人くらいのてきが、手に手にかまを持っていました。草をかっていたのです。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
こうぞしげれば、和紙の産地である。麻が畑に見えれば、麻布を予期していい。同じ土焼どやきの破片が数あれば、それでかまが見出せたともいえる。
地方の民芸 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
中がらすの障子のうちには今様いまやう按察あぜち後室こうしつ珠数じゆずをつまぐつて、かぶりの若紫わかむらさき立出たちいづるやと思はるる、その一トかまへが大黒屋の寮なり。
たけくらべ (新字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その敷物が夜分の寝床にもなりますので、隅にはその室付のかまが一つ、その上に土鍋どなべが一つ、それから水を入れる土のびんが一つある。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「少しくらい体をいためたって、介意かまうもんですか。私たちは何かかわったことをしなければ、とても女で売出せやしませんよ」
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
留紅草るこうさう樽形たるがたの花、その底にダナウスの娘たちが落ちてゐさうな花、人間の弱い心臟の血を皆かまはずに吸いこむため、おまへの唇にはきずがある。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
かまはんで置くと、好い気にるだア。此奴の為めに、村中大騒を遣つて、夜も碌々ろく/\寝られねえに、酒をくらはせて、勝手な事を言はせて置くつて言ふ法はえだ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
汽車に残つてゐるのは工事担当の技師ばかりだ。技師は物思はし四下あたりを眺めて汽罐かまの蒸気の音に耳を傾けてゐる。
椋のミハイロ (新字旧仮名) / ボレスワフ・プルス(著)
国内戦時代のことで、そのような悪童的な放浪の道はたまたま赤軍の装甲列車にぶつかり、そこで汽鑵かまたき助手などやることがあったりした。
「何を亂暴なことなさいます! 五つ六つの頑是ない子供相手に!」妻は子供を逸速く抱きかかへると激昂のあまり鼻血をたら/\流してゐる圭一郎をかまひもせず續けた。
崖の下 (旧字旧仮名) / 嘉村礒多(著)
咽を鳴らす音、めしをかむ歯の響き、汁を吸う舌打ち、がぶがぶあおる大盃に吐くため息。しばしがほどは、銀座街頭の跫音雑声よりもかまびすしい。
食指談 (新字新仮名) / 佐藤垢石(著)
「今くこの水門みなとに往きて、水もちて汝が身を洗ひて、すなはちその水門のかまはなを取りて、敷き散して、その上にまろびなば、汝が身本のはだのごと、かならずえなむ」
けれども今日は此んな女にかまっていられないから、富子さんに用があると言った。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
それから上手へ人家はまばらになって、突然、煉瓦焼きのかまが高い煙突を持って斜めに見えます。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
碾臼ひきうすの様に頑固で逞しい四対よんついの聯結主働輪の上に、まるで妊婦みもちおんなのオナカみたいな太ったかまのっけその又上に茶釜の様な煙突や、福助頭の様な蒸汽貯蔵鑵ドオムを頂いた
とむらい機関車 (新字新仮名) / 大阪圭吉(著)
やがて妙秀が茶釜かまに対して沈黙し、光悦が絵筆を持って背を向けてしまうと、武蔵は、たれと語りようもなく、また、なにを楽しむすべも知らず、憶い出されるものは、ただ退屈と
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
パアナツサスの山のふもとに住んだパイソンといふ恐ろしき蛇をアポローが銀の弓ともつて殺す話、アポローの子にして楽人なるオルフユーズの愛妻ユーリヂシーが毒蛇に脚をかまれて死に
毒と迷信 (新字旧仮名) / 小酒井不木(著)
あなかまや。人に物思ひをつけくさる。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
法喜——飛ぶ鳥すらも、美しいみ仏の詞にかまけて鳴くのではなからうか。さう思へば、この鶯も
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
其は其として、昔から家の娘を守った邑々むらむらも、段々えたいの知れぬ村の風に感染かまけて、しのづまの手に任せ傍題ほうだいにしようとしている。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)
自分の石炭を自分のうちの汽缶かまにくべて、煙が出るからというて、罰金をとられてはたまりまへん。藁を焚いても、煙は出ますさかいにちっと辛抱してもらわな困ります
空中征服 (新字新仮名) / 賀川豊彦(著)
いつかアルコールがなくなったとき石油をつかったら、かまがすっかりすすけたよ。
銀河鉄道の夜 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
さるによつてやつがれは、常に和殿を貴とみ、早晩いつかよしみを通ぜんとこそ思へ、いささかも仇する心はなきに、何罪科なにとがあつて僕を、かまんとはしたまふぞ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
とんでかかれば黄金丸も、稜威ものものしやと振りはらって、またみ付くをちょう蹴返けかえし、その咽喉のどぶえかまんとすれば、彼方あなたも去る者身を沈めて、黄金丸のももを噬む。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
楼婢ろうひを介して車をたのんだが、深更しんこう仮托かまけて応じてくれ無い、止むを得ず雨をついて、寂莫じゃくばくたる長堤をようやく城内までこぎつけ、藤堂采女とうどううねめ玉置小平太たまおきこへいたなど云う、藩政時分の家老屋敷の並んでいる
枯尾花 (新字新仮名) / 関根黙庵(著)
今日は音さんまで御頼申おたのまうして、斯うして塵埃ほこりだらけに成つてかまけて居るのに、それがお前の目には見えねえかよ。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
そこで、とかく弱蟲よわむし女子をなごばかりが玩弄かまはれまするとけつかる。いや、おれは、野郎やらうをばはふし、女郎めらうをば制裁かまはう。
「しかし、とっくに開封されているじゃありませんか。遺言書の内容だけは、話してしまった方がいいでしょう」熊城はさすがに老練な口穽かまを掛けたけれども、真斎はいっこうに動ずる気色けしきもなく
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
ちからおとしちや駄目だめだから、らなんざこんなところぢやねえ、こつちなうでうまかまつたときにや、自分じぶんちやえかねえつてはつたつけが、そんでも自分じぶん手拭てねげはしくええてぎいゝつとしばつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
長門美禰みね郡共和村字嘉万かま小字タタラ
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
何百本なんびやくぽん日章旗につしようきつてつたにしろ、其樣そんことにはかまはぬ、たちま日章旗につしようき片々きれ/″\引裂ひきさかれて、かはつて獅子しゝ鷲章わしゞるしはたが、我物顏わがものがほこのしま占領せんりようすることであらう。
前の四頭よっつかまわねえから新宿の問屋場へほうり込んで、このから尻だけは今夜のうちに、江川の邸へ着けてえんだ、よろしく頼むぜ
大菩薩峠:19 小名路の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
そこで、とかく弱蟲よわむし女子をなごばかりが玩弄かまはれまするとけつかる。いや、おれは、野郎やらうをばはふし、女郎めらうをば制裁かまはう。
と文平は低声こごゑかまをかけるやうに言出した。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
原子爆彈をつくつたといふが、その使ひ方のそぶりをみると、人類といふものは、石のかまや槍を使つてゐた原始時代に比べてそんなにちがつてゐない。
折々の記 (旧字旧仮名) / 吉川英治(著)
海岸線が欠けたかまの形をした土佐の東南端、俗にお鼻の名で呼ばれている室戸岬むろとみさきから半里の西の室戸に、古い港があって、寛文かんぶん年間、土佐の経世家として知られている野中兼山のなかけんざんが開修したが
海神に祈る (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
第三沸には少量の冷水をかまに注ぎ、茶を静めてその「華(一四)」をやしなう。それからこれを茶碗に注いで飲むのである。これまさに神酒! 晴天爽朗そうろうなるに浮雲鱗然ふうんりんぜんたるあるがごとし(一五)
茶の本:04 茶の本 (新字新仮名) / 岡倉天心岡倉覚三(著)
持皈もちかへりてぬしたづねばやとかまにさげて二町ばかりあゆみしにしきりにおもくなり、かまの内にこゑありて我をいづくへゆくぞといふにきもかまをすてゝにげさりしに
着物もそまつだし、安櫛やすぐしをさして、なりにもふりにも関心かまわないでいるところは、問うまでもなく、貧乏人だ。
治郎吉格子 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こう言って彼は風呂かまの前に端然たんぜんとして控えていたが、伝二郎にも、それから丁稚にさえ自身てずから湯を汲んで薄茶を奨めてくれた。