かま)” の例文
新字:
『さてこのねずみなにはなしてやらうかしら?大抵たいていみんへんことばかりだが、かくはなしてもかまはないだらう』とあいちやんがおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
留紅草るこうさう樽形たるがたの花、その底にダナウスの娘たちが落ちてゐさうな花、人間の弱い心臟の血を皆かまはずに吸いこむため、おまへの唇にはきずがある。
牧羊神 (旧字旧仮名) / 上田敏(著)
サン はて、飼犬いぬたゞけでもむかうてゆくわい。モンタギューの奴等やつらりゃ、をとこでもをんなでもかまうたことァない。
相手の身分にかまはず、男さへ見れば、クネクネと身體で表情をする、白粉の濃い女です。
我々が行つたつてちつともかまつちやくれない。だから僕みたいな者は、海や、山へ行くと、直ぐもう飽きちやつて、爲る事に事を缺いて自分で自分の批評を始めるんだ。其處へ行くと活動寫眞は可いね。
我等の一団と彼 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ふたゝふたをとつたときには掃除さうぢらぬ風呂桶ふろをけのなかには前夜ぜんやあかが一ぱいいてた。其麽そんなことにはかまはずに田植たうゑ同勢どうぜいはずん/\と這入はひつた。彼等かれらほとんどたゞ手拭てぬぐひでぼちや/\と身體からだをこすつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
わたし所有あらゆるしらべました、堤防どてました、それからかきも』として、はとあいちやんにはかまはず、『けどへびは!だれでもきらひだ!』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
サン うんにゃ、如何どうやがらうとかまふものかえ。おれゆびつめんでくれう、それでだまってゐりゃはぢさらしぢゃ。
金太郎の死骸は、この前の三之助と同樣、江島屋の主人の嫌がるのもかまはず、一應江島屋の裏手の椽側に取込んで、佐久間町の伊保木家から、引取りに來るのを待つてをります。
あいちやんは彼等かれら石盤せきばん見越みこせるほどちかくにたので、全然すつかりそれがわかりました、『しかしそれはうでもかまはないわ』とひそかにおもひました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
カピ妻 わしにもの被言おしゃんな、わしは最早もうなにひますまいほどに。きにしや、もう其方そなたにはかまひませぬほどに。
相變らず、地味で健康で、物事を最後の一線まで我慢することに馴れた伊太郎は、平次の思惑などにはかまはず、春から秋にかけて、百姓が無限に欲しがる、草鞋などを作つてをりました。
「あ、くたびれた。冷たいのでもかまひませんから一杯」