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關所
やがて、
合方もなしに、
此の
落人は、すぐ
横町の
有島家へ
入つた。たゞで
通す
關所ではないけれど、
下六同町内だから
大目に
見て
置く。
も
勤むる者の心得は萬事
斯の如し此事我々の
上にある時は
自然面倒なりとて
他人の物にても
錠前を
叩き
開よなど云事なしとも
云難し
假にも
錠前を破るは
關所を
こめつ
可笑しく
面白く
物がたりながら
沈みがちなる
主の
心根いぢらしくも
氣遣はしく
離れぬ
守りにこれも
一つの
關所なり
如何にしてか
越えらるべき
如何にしてか
遁るべきお
高髮とりあげず
化粧もせず
粧ひし
昔の
紅白粉は