“がま”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ガマ
語句割合
39.1%
蝦蟇20.9%
17.8%
蝦蟆11.1%
4.4%
1.8%
1.3%
1.3%
0.9%
0.4%
蝦暮0.4%
蟾蜍0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「ずいぶん変わり者です。蛇の皮をまいたステッキや、がまの皮で作った銭入れや、狼の歯で作った検印などを持って喜んでいます」
髭の謎 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
独美、字は善卿ぜんけい、通称は瑞仙ずいせん錦橋きんきょうまた蟾翁せんおうと号した。その蟾翁と号したには面白い話がある。独美は或時大きい蝦蟇がまを夢に見た。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
そのすこし前までは白菊を摺箔すりはくにした上衣を着ていたが、今はそれを脱いでただがまの薄綿が透いて見えるくず衣物きものばかりでいる。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
かつて蛇が蝦蟆がまを呑み掛けたところを二足ある奇蛇と誤認したと自筆した(『土耳其紀行トラヴェルス・インツー・ターキー』一七四四年版、一二〇頁)。
おおきいいえがありましてね、そこの飯炊めしたがまは、まず三ぐらいはける大釜おおがまでした。あれはえらいぜにになります。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
「それや好都合だった。ほかじゃないが、そちの炭焼がまで、人間の体を一箇ひとつ、こんがりと焼いて貰いたいのだが……」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壒嚢抄あいのうしょう』に「元三のお薬温むたたらなどは世の始めの物なりしが云々」とあり(和訓栞)、肥前北部で陶器がまに用いる一種のまきを今でもタタラギという(佐賀県方言辞典)。
地名の研究 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
むぐら刈る利鎌とがまのかまのやきがまのつかのまも見むたまあひの友 (和田嚴足)
愛国歌小観 (旧字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
ガルハニががまの脚の搐搦ちくじゃくするを疑いて動物のエレキを発明し、ニュートンが林檎りんごの落つるを見て重力の理に疑いを起こし、ワットが鉄瓶の湯気をもてあそんで蒸気の働きに疑いを生じたるがごとく
学問のすすめ (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
砂地へ半身うずめこんだように身をかがめ、当麻とうま五郎のだんびらを守りがまえの青眼に、二ツのひとみは剣のミネをおもむろにたどって、月光をチカッと射る鋩子ぼうしの先から
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
でっぷりと小肥りの身体と、骨ばった痩躯も、対蹠的だ。しかし、湯に濡れて光る、友田の肌の大蛇おろち蝦暮がま蛞蝓なめくじなどの眼は、どれも、金五郎を睨んでいるように、妖しくうごめいている。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
蟾蜍がまのような大きい腹をかかえて、顔は青く心は暗く、初産の恐怖は絶えず胸を痛めて、何がなし一刻も早く身二つになれかしと祈った。
ネギ一束 (新字新仮名) / 田山花袋(著)