“摺箔”の読み方と例文
読み方割合
すりはく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そのすこし前までは白菊を摺箔すりはくにした上衣を着ていたが、今はそれを脱いでただがまの薄綿が透いて見えるくず衣物きものばかりでいる。
武蔵野 (新字新仮名) / 山田美妙(著)
玉のかんざしかつら女飾髻おんなばさら、鬘帯、摺箔すりはく縫箔、後で着けます長絹ちょうけんなんぞも、私が小児こどものうち、一度博物館で陳列した事がありますがね、今でも目に着いています。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
やがて近づくを見れば、その一騎は、甲冑かっちゅうの武者ではなかった。しゃ摺箔すりはくの小袖、藤色の天正裃てんしょうかみしも、手綱までよそおいをこらし、目を奪うような姿の若者であった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)