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搆
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かま
ふりがな文庫
“
搆
(
かま
)” の例文
身綺麗
(
みぎれい
)
にはしていても
髪容
(
かみかたち
)
に
搆
(
かま
)
わない。それなのにあの円顔の目と口とには、複製図で見た
Monna
(
モンナ
)
Lisa
(
リイザ
)
の
媚
(
こび
)
がある。
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
中がらすの障子のうちには
今様
(
いまやう
)
の
按察
(
あぜち
)
の
後室
(
こうしつ
)
が
珠数
(
じゆず
)
をつまぐつて、
冠
(
かぶ
)
つ
切
(
き
)
りの
若紫
(
わかむらさき
)
も
立出
(
たちいづ
)
るやと思はるる、その一ト
搆
(
かま
)
へが大黒屋の寮なり。
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
由「これで宜しいたって、言いかけて
止
(
や
)
めてはいけません、
搆
(
かま
)
わないから
後
(
あと
)
をお聞かせなさい是非……まアお坐りなさい」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
わしの留守でも
搆
(
かま
)
はずづんづん上るものがあるといふ事ぢやが、これからはそんな事があつたら、親類でも何でも構はぬ、とつとといんで貰ふがよい。
心の鬼
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
しかし楓江を知る者は皆その
胸襟
(
きょうきん
)
の歴落たるを喜び、目するに奇士を以てしたという。楓江は嘉永二年『海外新話』を著したため江戸
搆
(
かま
)
いの刑に処せられた。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
人の噂を聞くに、この貴人はボルゲエゼの
族
(
うから
)
にて、アルバノとフラスカアチとの間に、大なる
別墅
(
べつしよ
)
を
搆
(
かま
)
へ、そこの
苑
(
その
)
にはめづらしき草花を植ゑて
樂
(
たのしみ
)
とせりとなり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
悠然
(
いうぜん
)
と
車上
(
しやじよう
)
に
搆
(
かま
)
へ
込
(
こ
)
んで
四方
(
しはう
)
を
睥睨
(
へいげい
)
しつゝ
駆
(
か
)
けさせる時は
往来
(
わうらい
)
の
奴
(
やつ
)
が
邪魔
(
じやま
)
でならない右へ
避
(
よ
)
け左へ
避
(
さ
)
け、ひよろひよろもので
往来
(
わうらい
)
を
叱咜
(
しつた
)
されつゝ歩く時は
車上
(
しやじよう
)
の奴
が
(
やつ
)
が
癇癪
(
かんしやく
)
でならない。
もゝはがき
(新字旧仮名)
/
斎藤緑雨
(著)
何
(
なん
)
が
故
(
ゆえ
)
にこの
裝飾品
(
そうしよくひん
)
を
奪
(
うば
)
ふは
單
(
たん
)
に
斬取強盜
(
きりどりごうとう
)
の
所爲
(
しよい
)
にして
苟
(
いやし
)
くも
理論
(
りろん
)
を
搆
(
かま
)
へたる
大學生
(
だいがくせい
)
の
爲
(
な
)
すべからざるところなるを
忘
(
わす
)
れしか、是等の凡ての撞着、是等の凡ての調子はづれ、是等の凡ての錯亂
「罪と罰」の殺人罪
(旧字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
中
(
なか
)
がらすの
障子
(
しようじ
)
のうちには
今樣
(
いまやう
)
の
按察
(
あぜち
)
の
後室
(
こうしつ
)
が
珠數
(
じゆず
)
をつまぐつて、
冠
(
かぶ
)
つ
切
(
き
)
りの
若紫
(
わかむらさき
)
も
立出
(
たちいづ
)
るやと
思
(
おも
)
はるゝ、その一ツ
搆
(
かま
)
へが
大黒屋
(
だいこくや
)
の
寮
(
りよう
)
なり。
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
われは此俗を歌ふ一曲の人口に
膾炙
(
くわいしや
)
するものあるを知れど、急にこれに依りて思を
搆
(
かま
)
ふること能はず
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
何か書き掛けていたらしいので「お邪魔なら又参ります」と云うと「
搆
(
かま
)
わないよ、器械的に書いているのだから、いつでも
已
(
や
)
めて、いつでも続けられる。重宝な作品だ」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
それにしても今時分、ここらをその姿で、ムム分りしさては浅木君はやはりそなたに
搆
(
かま
)
はぬな。
葛のうら葉
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
伊「ナニ結構でも
搆
(
かま
)
やア致しません」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
見得を
搆
(
かま
)
はず豆なり栗なり気に入つたを喰べて見せておくれ、いつでも
父様
(
ととさん
)
と
噂
(
うわさ
)
すること、出世は出世に相違なく、人の見る目も立派なほど
十三夜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
搆
(
かま
)
ひませんよ、どうせ私は捨ものですから、と花子はいつしか涙声になり、それで分りました、式を挙げるまでは誰にもいはないやうに、そして君子さんには決して僕の名前を告げちやアいけない
当世二人娘
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「
搆
(
かま
)
うものか」
青年
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
見得
(
みえ
)
を
搆
(
かま
)
はず
豆
(
まめ
)
なり
栗
(
くり
)
なり
氣
(
き
)
に
入
(
い
)
つたを
喰
(
た
)
べて
見
(
み
)
せてお
呉
(
く
)
れ、いつでも
父樣
(
とゝさん
)
と
噂
(
うわさ
)
すること、
出世
(
しゆつせ
)
は
出世
(
しゆつせ
)
に
相違
(
さうゐ
)
なく、
人
(
ひと
)
の
見
(
み
)
る
目
(
め
)
も
立派
(
りつぱ
)
なほど
十三夜
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
それでもお前寒からうでは無いか風を引くといけないと気を付ければ、引いても宜いやね、
搆
(
かま
)
はずに置いておくれと下を向いてゐるに、お前はどうかおしか
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
白粉
(
おしろい
)
つけて
美
(
い
)
い
衣類
(
きもの
)
きて迷ふて来る人を
誰
(
た
)
れかれなしに丸めるがあの人達が商売、ああ
我
(
お
)
れが貧乏に成つたから
搆
(
かま
)
いつけてくれぬなと思へば何の事なく
済
(
すみ
)
ましよう
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
白粉
(
おしろい
)
つけて
美
(
い
)
い
衣類
(
きもの
)
きて
迷
(
まよ
)
ふて
來
(
く
)
る
人
(
ひと
)
を
誰
(
た
)
れかれなしに
丸
(
まる
)
めるが
彼
(
あ
)
の
人達
(
ひとたち
)
が
商買
(
しやうばい
)
、あゝ
我
(
お
)
れが
貧乏
(
びんぼう
)
に
成
(
な
)
つたから
搆
(
かま
)
いつけて
呉
(
く
)
れぬなと
思
(
おも
)
へば
何
(
なん
)
の
事
(
こと
)
なく
濟
(
すみ
)
ましよう
にごりえ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
搆
(
かま
)
ふ事はない呼出してお
遣
(
や
)
り、私しのなぞといつたら野郎が根から心替りがして顔を見てさへ逃げ出すのだから仕方がない、どうで
諦
(
あきら
)
め物で別口へかかるのだがお前のはそれとは違ふ
にごりえ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
白粉
(
おしろい
)
をつけぬがめつけ
物
(
もの
)
なれど
丸髷
(
まるまげ
)
の
大
(
おほ
)
きさ、
猫
(
ねこ
)
なで
聲
(
ごゑ
)
して
人
(
ひと
)
の
死
(
し
)
ぬをも
搆
(
かま
)
はず、
大方
(
おほかた
)
臨終
(
おしまい
)
は
金
(
かね
)
と
情死
(
しんじう
)
なさるやら、
夫
(
そ
)
れでも
此方
(
こち
)
どもの
頭
(
つむり
)
の
上
(
あが
)
らぬは
彼
(
あ
)
の
物
(
もの
)
の
御威光
(
ごいくわう
)
、さりとは
欲
(
ほ
)
しや
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
我
(
わ
)
れ
兩親
(
りやうしん
)
に
後
(
おく
)
れし
以來
(
いらい
)
、
延
(
の
)
びし
背丈
(
せたけ
)
は
誰
(
たれ
)
の
庇護
(
かげ
)
かは、
幼稚
(
えうち
)
の
折
(
をり
)
の
心
(
こゝ
)
ろならひに、
謹
(
つゝし
)
みもなく
馴
(
な
)
れまつはりて、
鈇石
(
てつせき
)
の
心
(
こゝろ
)
うごかせしは、
搆
(
かま
)
へて
松野
(
まつの
)
の
咎
(
とが
)
ならず
我
(
わ
)
が
心
(
こゝ
)
ろのいたらねばなり
たま襻
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
如是我聞
(
によぜがもん
)
、
佛説阿彌陀經
(
ぶつせつあみだけう
)
、
聲
(
こゑ
)
は
松風
(
まつかぜ
)
に
和
(
くわ
)
して
心
(
こゝろ
)
のちりも
吹拂
(
ふきはら
)
はるべき
御寺樣
(
おんてらさま
)
の
庫裏
(
くり
)
より
生魚
(
なまうを
)
あぶる
烟
(
けぶ
)
なびきて、
卵塔塲
(
らんたうば
)
に
嬰兒
(
やゝ
)
の
襁褓
(
むつき
)
ほしたるなど、お
宗旨
(
しうし
)
によりて
搆
(
かま
)
ひなき
事
(
こと
)
なれども
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
何と御覧じたか田中屋の後家さまがいやらしさを、あれで年は六十四、
白粉
(
おしろい
)
をつけぬがめつけ物なれど
丸髷
(
まるまげ
)
の大きさ、猫なで声して人の死ぬをも
搆
(
かま
)
はず、大方
臨終
(
おしまい
)
は金と
情死
(
しんじう
)
なさるやら
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
本当だぜ
彼奴
(
あいつ
)
はきつと怒るよ、真青に成つて怒るよ、にゑ肝だからね、赤くはならない、それとも笑ふかしら、笑はれても
搆
(
かま
)
はない、大きく取つて看板に出たら
宜
(
い
)
いな、お前は嫌やかへ
たけくらべ
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
奧樣
(
おくさま
)
は
立上
(
たちあ
)
がつて、
私
(
わたし
)
は
大層
(
たいそう
)
邪魔
(
じやま
)
をしました、
夫
(
それ
)
ならば
成
(
な
)
るべく
早
(
はや
)
く
休
(
やす
)
むやうにお
爲
(
し
)
、
私
(
わたし
)
は
行
(
い
)
つて
寢
(
ね
)
るばかりの
身體
(
からだ
)
、
部
(
へ
)
やへ
行
(
い
)
く
間
(
あいだ
)
の
事
(
こと
)
は
寒
(
さむ
)
いとても
仔細
(
しさい
)
はなきに、
搆
(
かま
)
ひませぬから
此
(
こ
)
れを
着
(
き
)
てお
出
(
いで
)
われから
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
私が少しもお前の身なら非人でも乞食でも
搆
(
かま
)
ひはない、親が無からうが兄弟がどうだらうが身一つ出世をしたらば
宜
(
よ
)
からう、何故そんな意気地なしをお言ひだと励ませば、己れはどうしても駄目だよ
わかれ道
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
搆
漢検1級
部首:⼿
13画
“搆”を含む語句
結搆
搆造
幾搆
待搆
桁搆
身搆