“珠数”のいろいろな読み方と例文
旧字:珠數
読み方割合
じゅず78.8%
じゆず13.6%
ずず3.0%
ずゝ1.5%
じゆづ1.5%
ずゞ1.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
で、真言を唱えつつ珠数じゅず采配さいはいのごとくに振り廻して、そうして向うから出て来る山雲を退散せしむる状をなして大いにその雲と戦う。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
若い兵隊が甲鉄艦のやうな靴をひきずつて、ぞろぞろ通りかかると、二階から三階から白粉おしろいの顔が梅の実のやうに珠数じゆずつなぎに覗いた。
岸本は節子に珠数ずずを贈った。幾つかの透明な硝子のたまをつなぎ合せて、青い清楚せいそ細紐ほそひも貫通とおしたもので、女の持つ物にふさわしく出来ていた。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
と声をかけて、入つて来たのは蓮華寺の住職の匹偶つれあひ。年の頃五十前後。茶色小紋の羽織を着て、痩せた白い手に珠数ずゝを持ちながら、丑松の前に立つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
あさ須原峠のけんのぼる、偶々たま/\行者三人のきたるにふ、身には幾日か風雨ふううさらされてけがれたる白衣をちやくし、かたにはなが珠数じゆづ懸垂けんすゐし、三個の鈴声れいせいに従ふてひびきた
利根水源探検紀行 (新字旧仮名) / 渡辺千吉郎(著)
菩提樹の実の珠数ずゞ繰りながら十兵衞が埓なき述懐に耳を傾け居られし上人、十兵衞が頭を下ぐるを制しとゞめて、了解わかりました、能く合点が行きました、あゝ殊勝な心掛を持つて居らるゝ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)