かま)” の例文
明日あしたさはりにでもりやしめえしかまあこたあんめえな、おとつゝあは」といつておつぎは勘次かんじしつけてしまふのである。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かまはんで置くと、好い気にるだア。此奴の為めに、村中大騒を遣つて、夜も碌々ろく/\寝られねえに、酒をくらはせて、勝手な事を言はせて置くつて言ふ法はえだ。
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
かまわんでくださいとったらかまわんでください、チョッ、だれがそんなものくちくものか。』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
敵手あいては女じゃありませんか。かわいそうに。私なら弁護を頼まれたってなんだってかまやしません。おまえが悪い、ありていに白状しな、と出刃打ちの野郎をめ付けてやりまさあ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
風早學士は、何時の間にか其の雪の薄ツすりと消殘ツてゐる箇所ところまで來て了ツた。かまはず踏込むで、踏躙ふみにじると、ザクザクしづかな音がする……彼は、ふと其の音に耳を澄まして傾聽した。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
「おつぎにしてもらあんでなくつちやだつちからかまあねえんだな、そんでなけりやいくらでもしてらざらによ」そばからすぐにいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
かまはんでくださいとつたらかまはんでください、チヨツ、だれ那樣者そんなものくちくものか。』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
教壇に立ツても、調子こそ細いが、白墨チヨークの粉だらけになツた手を上衣コートこすり付けるやら、時間の過ぎたのもかまはずに夢中で饒舌しやべツてゐるやら、講義は隨分熱心な方であるが、其の割には學生は受ぬ。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
あねもらへたけりや他人ひとにやかまあこたあんめえな」勘次かんじはおつたがゆつくりといふのがをはらぬのにそつけなくいつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
イワン、デミトリチは素氣そつけなくふ。『わたくしかまはんでください!』
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
かまはんさ。のんきで可いじやないか。」
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
イワン、デミトリチは素気そっけなくう。『わたくしかまわんでください!』
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)